管楽器奏者というと、多くの一般の方が、「肺活量が凄いんでしょうね。」とおっしゃいます。ま、息で音を出しますから、そう感じるのはごもっともですね。
しかし私の持論は、「サックス吹きには、必ずしも肺活量は必須ではない!」です。多分、私自身も、そんなに肺活量が多いわけではないと思います。またサックスを長年吹いていても肺活量はほとんど増加しません。
なぜならば、その人の体の「息の容積」は鍛えても(?)ほとんど変化しないからです。サックス等の管楽器を練習することで、呼吸法や息の圧力は楽器の演奏に耐えられるように改良されていきますが、肺活量は無理です。
「じゃあ、息が続かないのは諦めるしかないの?」ということになりますが、それも「否」です。そのへんを解説します。
管楽器の中で一番「空気の量」を必要とする楽器は、一般的に「フルート」と言われています。音を出す仕組みの効率が一番悪いからです。そんな「しんどい」フルートは、しっかりとした呼吸法で吹かないと楽器のコントロールも上手く出来ず、息を無駄に使いすぎて「頭がクラッ!」ってことも珍しくありません。
そう、キーワードは、「しっかりとした呼吸法」です。どんなに肺活量が少なくても、しっかりと腹式呼吸を身につけて、自分の呼吸能力を100%引き出せば、かなりの量の息を吐くことができるのです。
サックスはかなり息が音を作り出す仕組みが効率良く出来ている楽器です。体一杯に息を吸い込む腹式呼吸をマスターすれば、ほとんどの場合、「息が足りない」という状況はなくなると思います。
それでも楽譜に白いマル(全音符)が四個も五個も繋がって書かれている譜面や、息継ぎの暇の無い超ロングフレーズも、まるで「意地悪」のようにやってきます(汗)。そんなときはどうしたら良いのでしょうか?
私の答えは簡単です、「息継ぎをすれば良い」です。もちろん、演奏のたびに息の都合でデタラメに息継ぎをすれば音楽にはなりません。
例えば、アンサンブルの場合なら、一緒のパート、類似のフレーズを吹く別の楽器と打ち合わせをし、聞き手に分からないような息継ぎの場所を決めておくのです。
また、超ロングフレーズでも「決める音」と「流す音」が必ずあります。流す音の部分で息継ぎをすれば意外とばれないものです。また異常に息が取られるのは、そのサックスのセッティングに難がある場合もあります。リードの厚さや、マウスピースの開きを替えてみると良いかもしれません。
*写真は全てflickrから掲載しています。
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