大きな音を出すサックスの練習場所を探すのは、サックス吹きの皆さんの中ではかなり重要な「悩み」だと思います。
そんな音量問題は、金管楽器のようにプラクティス・ミュート(練習用弱音器)を着けることではサックスは解決しません。
最近では各種のサックス用弱音器も出回っていますが、音をゼロにすることはできません。そこで思いつくのがサックス・シンセサイザーです。イヤホンを使えば外に漏れる音はゼロ。夜中でも誰に迷惑を掛けるものではありません。さて、このサックス吹きの救世主のような「サックス・シンセサイザー」は、はたしてサックスの練習の代用になるのでしょうか?今日はその辺に迫って(?)みましょう。
現在比較的簡単に入手可能なサックス・シンセサイザーは、YAMAHAのWX5とAKAIのEWI4000Sでしょう。いずれも「ウインド・シンセサイザー」と呼ばれています。他にもアメリカには「シンソフォン」と呼ばれるMIDIサックスなどもありますが、一般的にはこのYAMAHAとAKAIの二種類です。
YAMAHAのWX5はサックスのキーメカニズムにあたる部分が、キー操作と連動したスイッチになっています。それに対してAKAIのEWIは静電感知型のタッチセンサーでキー操作をおこないます。
YAMAHAはサックスのように「指で押す」動作で運指をおこないますが、AKAIは「キーに触る」だけで運指が決まります。WX5はサックスのようにキーの上に指を置き、いざ音を出すときに指を押す、というサックスの指の動きとまったく同じ操作ですが、EWIではキーに触るとそのキーを「押している」ことになってしまいますので、通常時には指はキーから浮かせていなければなりません。
そういう意味でサックスの指の運びの練習であればYAMAHAのWX5に軍配があがるのですが、楽器としては指の動きへの反応スピードと、動作の安定性等から、ステージで使用されるウインド・シンセサイザーは圧倒的にAKAIのEWIが多いようです。
これら両者とも息のスピードと量に反応し、唇の締め具合もピッチに反映されますが、やはりリードを使ったサックスのマウスピースとは感覚が違います。リードが振動しませんから。
サックスの運指の練習の代用としてはウインド・シンセサイザーは「あり」かもしれませんが、サックス全体の練習とは別物だと思います。またウインド・シンセサイザーは電子楽器なので楽器のキーが自由に変えられます(通常はC)。運指と出てくる音に違和感を覚える場合は、セッティングでキーを変更することをお勧めします。
*写真は全てflickrから掲載しています。
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