最近のサックスは本当に種類が多いです。同じモデルでも管体素材の違い、表面仕上げの違い等、たくさんのバリエーションがあり、購入に際してはかなり悩んでしまいます。
そんな悩みを少しでも低減するため、今日はサックスの素材、材料の話をしましょう。なんせ合金の話なので、もろ理科系の説明が随所に混じります。ま、適当に流し読みしてください。
サックスの素材の「王道」は真鍮です。真鍮は黄銅とも呼ばれるので、なにげに駄洒落を言ってみました(汗)。真鍮は銅Cuと亜鉛Znの合金で、銅と亜鉛の含有率が65%/35%のものを普通真鍮と呼び、亜鉛の比率によって、5~20%未満をゴールドブラス(丹銅:赤みが強い)、30%をイエローブラス(七三黄銅)と呼び、亜鉛の比率が少ないほど柔らかな音色になります。
ただしサックスの素材金属は楽器の素材として響きや加工のし易さ等の研究がなされていますので、現実には各メーカーはもっと複雑な成分の「真鍮」を使用しています。
最近ではブロンズ製サックスというのも数多く出回っています。こっちは銅CuとスズSnの合金で、日本語では青銅と呼びます。一番身近な青銅は「10円玉」です。
サックスの素材としては太く柔らかなサウンド傾向ですが、ブラスの鳴りとは性格が異なるようです。メーカーとしては「アンティークなサウンド」と称することが多いようです。
高価ですが、925銀製のサックスも人気です。ほとんど純銀なのですが、強スターリング・シルバー度を維持するために7.5%ほどの銅などを混ぜています。管楽器での銀の響きは、特徴のある柔らかさと力強さを持ち、一度吹いたら忘れられない魅力があります。ヤナギサワやセルマー等各メーカーから、このスターリング・シルバー製のサックスが発売されています。なにせ貴金属である銀がほとんどなので、このスターリング・シルバー製のサックスは総じて「高額」です。
その難点を克服した材料が、ジャーマン・シルバー、洋白製のサックスです。ジャーマン・シルバーは銅Cu、亜鉛Zn、ニッケルNiの合金です。身近な製品は「500円硬貨」です。非常に銀に類似の特性を持っており、フルート等では銀に代用する合金として、廉価版の楽器で多用されていましたが、サックスでは最近になって注目されてきました。ポールモーリアやカイルベルス等のメーカーがラインナップしており、真鍮の鳴りの良さとスターリング・シルバー製の暖かいサウンドを両立している、と「激褒め」するかたもいるようです。カドソンではネックソケット部にこのジャーマン・シルバーを使ったモデルを出しています。
*写真は全てflickrから掲載しています。
自分のサックスはこんなもんかなと思っていた世界がいっきに広がりました。初心者の方には特にお勧めしたいです。
(AIZEN LS テナーサックスマウスピースご購入 金裕文様 のお声)
残り32名様 AIZENテナーメタル発売記念キャンペーン開催中
冬に重宝するアイテムをプレゼントします。
詳しくはこちら