いわゆる交響楽団、弦楽オーケストラにはサックスのパートはありません。何故なんでしょう?「サックスは比較的近代の楽器で、交響曲の時代には存在しなかった。」、とそれが理由と言い切る方もいらっしゃいます。しかし、私は違う考えを持っています。ちょっと私の意見を話させてください。
サックス(サキソフォン)は1846年にアドルフ・サックス氏によって特許が出願された楽器です。確かに近年ですね。明治維新のちょっと前です。かたや、交響楽の父と呼ばれる、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンは1732年生まれで1809年に逝去されています。惜しい、間に合わなかったですね。
ベートーベンは1770年~1827年、シューベルトは1797年~1828年、チャイコフスキーは1840年~1893年、ドボルザークは1841年~1904年です。あれれ?確かにサックスは歴史の若い楽器ではありますが、交響曲の名作が数多く生まれた時代に「無かった」訳ではないようです。考えてもみてください。交響楽団用の曲は、現代でも数多く生み出されています。
音楽のジャンルこそ「クラッシック」ですが、そんなに古いものばかりではありません。マーラーの名作、「巨人」の発表は1888年ですので、サックスが無かったということは絶対ありませんね。だとしたら、交響曲にサックスのサウンドが求められていなかったということになるのではないでしょうか?
実際にオーケストラの編成は演奏する曲によって微妙に変わります。つまり交響曲の多くの作品の中にサックスの音色が求められていなかったということなんです。
既にフルート、クラリネット、オーボエ等の木管楽器、トランペット、トロンボーン、ホルン、ユーフォニューム等の金管楽器があるオーケストラのサウンドに、新たなパートとしてサックスは場所を必要とされていなかったと言えるでしょう。では、サックスの居場所はどこに?
サックスは軍楽隊を代表とする「吹奏楽団」の木管楽器と金管楽器の橋渡し的存在の楽器として発明されました。木管楽器の運動性能の高さと、金管楽器のダイナミックレンジ(音量の強弱)の広さを兼ね備えた、操作し易く、そして野外でも自由に演奏できる丈夫さを持った、究極の新発明だったのです。
オーケストラでこそ居場所はありませんでしたが、軍楽隊、吹奏楽団、ブラスバンド、小編成アンサンブル、ポピュラー、ジャズ等々あらゆる分野において、サックスはあっというまにその存在を確立しました。求められたところには、しっかりと腰を据えたわけです。
ドビッシーはアルト・サクソフォーンと管弦楽のための狂詩曲を創作していますし、クラッシック・サックスの神とも呼ばれるマルセル・ミュールは、パリ音楽院のサックス科の教授としてクラシック界に多くのサックス奏者を育てました。クラシックの世界でもしっかりと活躍しています。
さあ結論です。弦楽オーケストラにはサックスのパートが無いのではありません。サックスを使用した曲がとても少ないだけです。そうです、楽器のサウンドとは、それを求められるところでのみ力を発揮するんです。
*写真は全てflickrから掲載しています。
使ってみて、とにかく息の通りがよく、特に高音域が、今使っているメイヤーに比べ格段にコントロールしやすいのに驚きました。
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