クラリネット奏者の方に、「サックスを吹いてみたいのですが、クラリネットからの転向は難しいですか?」、と聞かれることがあります。
サックスは実はクラリネットの親戚です。ですので、クラリネットからの転向は簡単です。しかし逆はちょっとハードルが高いです(汗。そんな「親戚関係」のクラリネットとサックスの違いについてお話しましょう。
だいたい材質が違いますよね。クラリネットはグラナディラ等の木材かABS樹脂で出来ています。方やサックスは金属が主材料です。
サックスは、「クラリネットの柔らかな音をもっと大きく、また簡単な操作で出来ないか!」、として考え出された楽器です。それによって管体は金属に、運指はオクターブがほぼ同じリコーダー式に、そして全トーンホール(音程を決める管体の穴)は指の替わりにパッドが確実に塞いでくれます。
木製のクラリネットは「割れ」を防ぐために保存の際の湿度管理も重要ですが、金属製のサックスはあまり頓着しません。
また材質と同様にクラリネットとサックスの大きな違いは、音程を変えるためのトーンホール(穴)を塞ぐ方法です。クラリネットではいくつかのキーメカニズムによって、パッド(タンポ)で塞ぐトーンホールと奏者の指の先で塞ぐトーンホールが混在しています。
クラリネット奏者は両手の人差し指、中指、薬指で直接管体に開いた穴を塞いだり空けたりします。このことによって穴の面積を自由に変えることができるので、有名な「ラプソディ・イン・ブルー」の冒頭部の長いグリッサンド(異なる音程を連続的に変化させる)、「トゥ~~~~(音が上がっていく)~~~~~~ィ、タリララァー」ってフレーズが演奏できます。
あれは、穴を塞ぐ指を少しずつ横にずらしていき、穴の開く面積を連続的に増やすことで実現しています。もちろん熟練したクラリネット奏者にとっても決して簡単な技術ではありません。
サックスぼ場合は全部のトーンホールはパッドで塞いでいますので、穴の大きさを少しずつ変えるようなことはできません。従ってクラリネットのようなグリッサンド演奏は基本的に出来ません。
しかし、超上級者やマニアックなサックス奏者達は不可能を可能にしてしまっています。キーを塞いでいるボタンの指を少しずつ上げていくことで、「パッドの穴の塞ぎ具合」を微妙に調整してグリッサンドを作り出してしまうツワモノも少なくありません。
サックスは「若い楽器」ゆえに、未だに新しい演奏技術が開発されています。面白い楽器ですねぇ。
あ、グリッサンドで紙面が尽きてしまいました。続きは次回!
*写真は全てflickrから掲載しています。
ホームページの購入者の声を読んだ時は、良い事ばかり書いてあったので、半信半疑でしたが、今まで、はずれのリードとしてリードケースに入れてなかったリードを試してみたら、まともな音が出たのには、感心しました。
(AIZEN NY アルトサックスマウスピースご購入 小林操様 のお声)
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