サックス 練習・レッスン

速いテンポを遅くする?

スイング時代のジャズはゆったりとしたミディアムテンポの曲やバラードが多勢を占めていました。「ジャンプ・ナンバー」と呼ばれるアップテンポの曲は、最後の締めの盛り上がりや、ミディアムナンバーの間での「味付けの変化」として使われました。
ま、ちょっとした調味料ですね。しかし現代はというと、まるで様相は反転しています。ほとんどがアップテンポの「元気な」曲で、バラードやミディアムナンバーはその味付けのようになっています。世情に合わせて音楽もどんどん忙しなくなっているのでしょうか。
激しいビートやテクニカルな旋律の「馬鹿っ早い曲」は、聞くのは楽しいのですが、いざそれを吹くとなると大変です。速い曲のリハなどでは、「今日はサックスセクション、指が硬いね。」等と冷やかされます。
 そう、ダブルやトリプル等の高速タンギングが可能な金管楽器と較べて、サックス等木管楽器は構造的に速い音の変化は苦手です。さて、このへんをどう誤魔化しましょうかね。 
 アップテンポになった場合、いわゆるジャズの「ズーダ、ズーダ」の裏8分音符のアクセントは付けません。メトロノームを鳴らしながら、徐々にテンポを速くしていきながらジャズの8分乗りをやってみてください。 ある程度テンポが速くなってくると、ジャズアクセントの個性が曖昧になってきます。 
かつそのへんのテンポでは、ジャズ乗りをすると裏の拍が表になってしまいそうになります。つまりテンポ遅れの原因となります。 アメリカの一流ジャズミュージシャンは馬鹿っ速い曲でもしっかりと裏のアクセントを表現した上でテンポにシンクロしますが、アマチュアには到底無理な話です。
 だいたいテンポ200を超えたら万歳しちゃいましょう。このあたりのテンポからは表裏イーブンで吹いてもほとんど差は感じられません。アクセントよりもテンポとビートのキープに意識を集中したほうが、確実に「良い音楽」になるはずです。
またもっと速い場合は2拍を1拍で数えて、8分音符を16分音符として考えるやり方も一般的です。速い曲でテンポが遅れてしまう場合には、小節のつなぎとか4小節単位とか、テンポを取り返す場所を決めておきましょう。復帰の前には「吹くのを止めちゃう」のも必殺技です。
*写真は全てFlickrから掲載しています。
 音色は、初級者がたまに吹いたとは思えないほど太くて心地よい音色です。また鳴りムラ(音色のムラ)が、4Cよりも少ないです。ずっとテナーを吹いていたくなりました。
(AIZEN SO テナーサックスマウスピースご購入 市川忠邦様 のお声)
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