スイング時代のビッグバンドの譜面では、サックスセクションは当たり前のようにクラリネットやフルートへの持ち替えが指定されています。ベイシーやエリントンでもサックスセクションのフルートへの持ち替えは珍しくありません。
近年のビッグバンドでもリードアルトがソプラノに持ち替えて、「ソプラノリード」というサックスセクションワークも沢山あります。ジャズコンボでも多くのサックスプレーヤーが違う種類のサックスや、フルートやクラリネット等の別の木管楽器に持ち替えるケースが多いようです。サックス奏者の持ち替えってカッコ良いですけど、実際のとこどうなんでしょうか。サックス奏者の持ち替えの謎(笑)に迫りましょう。
「指使いが同じだから出来るんでしょ!」、と木管楽器の持ち替えを軽く見てる方が少なくありませんが、フルートもクラリネットもサックスの指使いとは微妙に違います。クラリネットに至ってはオクターブ毎に運指のパターンが変化します。
サックスのようにオクターブキーを押せば、オクターブ上の音が出るわけではないのです。なんと言っても、クラリネットにはオクターブキーがありません。似たような機能のキーをレジスターキーと言いますが、ま、全然違うものです。
またクラリネットはサックスと同じ、シングルリード属でマウスピースに一枚のリードを着けて吹く、ということは同じです。しかしフルートは「エアリード楽器」といって、ビール瓶の口に息を吹きかけて音を出すのと同じ仕組みで音を出します。
こんなもん、サックスとはまったく別の楽器です。またクラリネットはリングキーといって、パッドが着いておらず、自分の指の腹でトーンホールを塞がねばならないキーが沢山あります。ラプソディー・イン・ブルーの冒頭の長ぁ~いグリッサンドは穴を塞いだ指をずらしていって徐々に音を上げて行きます。クラリネット故の技で、サックスにはできません。
こんな面倒で苦労ばかりの持ち替えを、サックス吹きは何故しなくてはならないのでしょう。ビッグバンドの場合、「他のパートじゃ絶対出来ないから。」、ですね。トロンボーンやトランペットセクションに木管楽器は任せられないでしょう。サックスの祖先であるクラリネットや遠い親戚のフルートは、サックスのサウンドにとても似ています。似ているし、馴染みます。だからサックスセクションの表現力を高めるため、持ち替えを指示しているのでしょう。
サックスより歴史の深いこれらの楽器は、サックスを吹くための多くの基本技術を共有しており、かつ「音が出易く」技術的に改良されたサックスと違い、音を出すのが大変です。それゆえに、サックスの奏法を確認するためにもこれら持ち替え楽器は役に立ちます。そして何より自分の表現力を高めるという意味で、私は持ち替え賛成派です。
息の通りがフラジオを含めて非常にスムーズで安心感がありました。管もよく鳴ってくれます。しかし鳴りすぎるわけではなく、適度な抵抗感もありました。久しぶりに吹く気持ち良さを感じました。
(AIZEN LS テナーサックスマウスピースご購入 菊池元様 のお声)
残り92名様 AIZEN3周年記念キャンペーン開催中
サックス吹きには重宝するアイテムとオリジナルカレンダーをプレゼントします。
詳しくはこちら
サウンドと操作性を両立させるという、ミュージシャンの夢を実現!
AIZEN サックスはこちら