サックス奏者なら何となくは感じていらっしゃると思いますが、サックスには随所に「コルク」が使われています。コルクはコルクガシと呼ばれる樫の木の樹皮で、弾力性と保湿性に優れた天然素材です。ワインの栓にも使われていますね。この弾力のあるコルクはサックスの各部分で重要な役割を果たしています。
では、今日はこの「コルク」の話をしましょう。
一番目につく「コルク」はネックの先端のネックコルクですね。マウスピースとの結合部で、弾力によって隙間を塞ぎ、マウスピースとサックスをしっかりとつなげます。グリスやパラフィンを塗ってマウスピースの滑りを良くします。
長年使っているとだんだん硬くなり、マウスピースがゆるゆるになったり、隙間が出来て、空気が漏れたりします。大事な部分ですので、こんなふうになったらリペア工房でコルクを交換してください。応急処置としてドライヤーで炙るという手もあります。コルクが乾いて膨らんできます。あくまでも応急処置です。
次に大事なコルクは「キーストッパー」です。随所のキーのシーソーメカニズムの「当たり止め」に使われています。金属通しが「ガチガチ」当たるのを防ぐ緩衝材の機能と、シーソーの角度を決めるアジャスターとしての機能があります。
ほんの数ミリ角のコルクが剥がれて落ちてしまったため、音が全然でなくなってしまうこともあり得ます。コルクの位置と状態を把握しておくことは、サックスの状態を知る上でとても重要です。とはいっても数十個もあるシーソーコルクを全部把握するのはしんどいですので、「練習のときサックスをケースから取り出したら、ケースの中にコルクが落ちていた。」とか、「演奏していたら、なんか小さなコルクが落ちてきた。」などという場合には、迷わずリペアマンに見てもらいましょう。
コルクは金属に長時間触れていても金属面を変化させたり、コルク側が変化することがほとんどありません。これがサックスの重要な部品に「ゴム」や「シリコン」でなく「コルク」が使われる理由です。メーカーの工場からサックスが出荷される際には、振動で調整が狂うのを防ぐため、全パッドを塞いだ状態で出荷しますが、この際にも色んなキーの間に10数個のコルクを挟んでいます。
ときどき楽器屋さんがこの「保護コルク」を取り忘れてお客さんに渡してしまう場合もありますので、新品のサックスで「あれ?何か変。」と思ったら、変なコルクがどこかに挟まっていないかどうか確認してください。
コントロールもしやすく、ジャズはもちろんいろんなジャンルに使えると思います。 初めてジャズのマウスピースに買い替えようと思っている方にはこのAIZEN はお勧めです。
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