超高値で市場に流通しているビンテージのなかのビンテージ、アメリカ製のセルマーマークVI、所謂「アメセルVI」ですが、「なんで?」というお値打ちな価格で販売されていることがあります。
こういった場合のほとんどが「リラッカーもの」です。オリジナルのラッカーではなく、前の所有者がラッカーをかけ直したものです。中古やビンテージサックスの説明には、「ラッカー残存率90%」などと記載され、オリジナルのラッカーの残り具合が程度の良し悪しとして言及されます。はたしてラッカーの残存率は、そのビンテージサックスの価値にそんなに関係するものなのでしょうか?答えは「ノー」であり「イエス」でもあります。(ごめんなさいm(_ _)m)
アメセルとフラセルの相違点にラッカーの違いが良く挙げられます。アメセルは組み立て後にラッカーを薄く噴き付け自然乾燥させてサウンドの軽さを出しており、フラセルは部品の時点でラッカーを厚めに塗布し、しっかりと焼き付けて音の締まりを出している。こんな俗説があります。
そして確かにアメセルとフラセルでは明らかにラッカーの色が違っていますし、パッドにラッカーが付着しているのがアメセルの証明とされています。というようなラッカーに関する話題から、アメセルのオリジナルラッカーが珍重され、リラッカーされたものは「なんだ、リラッカーかよ」と評価が低いようです。
しかし、高い技術の職人によるリラッカーは決してオリジナルに劣るものではないケースもありますし、そもそもが剥がれ易いアメセルのラッカーは、リラッカーもされ易いと考えても良いでしょう。コンディションを保つためのリラッカー修理も考えられます。レベルの高いリラッカーであれば、あなたがコレクターではなくプレーヤーであれば、実はお買い得かもしれません。
リラッカーと同じような後処理で、「リプレート」という作業があります。これは「メッキのし直し」です。リラッカーは全体にする場合と、修理痕を消すための部分補修の場合がありますが、「リプレート」は楽器全体を分解し、オリジナルの塗装やメッキを薬品で剥離し、管体や部品ごとにメッキをかけます。
もうこうなると別の楽器になると言っても良いでしょう。群を抜いたすばらしい楽器に変身している場合もありますが、「ありゃりゃ!」の失敗作も無い訳ではありません。ただしラッカー仕上げに比べ、金メッキ・銀メッキは確実にサックスのサウンドに輝きを増しますので、「とんでもない」ことにはならないと思います。
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