サックス 本体

ビンテージ選定講座2、ねじれた管体


サックスを持ち上げ、U字管側から目を近づけてネック方向へ管体を見てください。蛍光灯等の真っ直ぐのものを管体に反射させると、意外と簡単に「管体のねじれや曲がり」が確認できます。
サックス表面の均等さ具合を見るにはこの方法が一番です。ネックなどもこの方法で曲がりやゆがみが確認できます。実は思っているよりサックスって奴は真っ直ぐではないです。
新品でも多少のねじれやゆがみが有るものもありますが、決して「不良品」ではありません。多少の管体のゆがみは、組み立て時にポストやシャフトの位置、トーンホールの摺り合わせで吸収でき、サックスの機能に影響を及ぼさないようにすることが出来ます。あまり「真っ直ぐ」は気にしないでください。
ビンテージサックスを選ぶ際には、この「真っ直ぐチェック」は絶対必須です。ゆがんだ後に調整されたものか、調整された後にゆがんだものか、の違いが重要だからです。また製造から50年も経っているビンテージサックスは金属の収縮でかなり管体がゆがんでいるものが少なくありません。
そして、そのゆがみが機能的な不具合の原因となっている場合もあります。例えば、吹いて気に入ったビンテージサックスが3本目の前にあれば、管体のゆがみが少ないものを選ぶほうが良いでしょう。逆に目の前に予算に見合ったビンテージサックスが一本あり、「現状の吹き心地はイマイチだけど、調整すればいけるかな?」と思ったら、やはり管体のゆがみを見てください。管体にゆがみがあり、かつシャフト類にもねじれがあるようなら、即決を避けて上級者かリペアマンに相談しましょう。管体とシャフトのゆがみの程度によっては、大改造を必要とする可能性があります。
中古サックスでもうひとつ気になるのが、「へこ」ですね。管体の凹みです。一番多いのがU字管の凹みですが、「やや凹んでいる」程度ならサウンドにはあまり影響ありません。自分の趣味の範疇です。
同じく、ベルの凹みやベルエッジの変形等もあまり気にする必要は無いと思います。気にすべき「へこ」は左手キーより上の管体へのダメージです。サックス管体の上部、およびネックの凹みや変形は少なからずサウンドや吹奏感に影響します。ただし、「吹いて良ければ全て良し」、だとは思います。それがビンテージを選ぶ、ということだと思います。
使うとしっかり息を音に変えてくれるストレートなマウスピースと感じた。ちょっともう他のマウスピースを使うのは厳しいかも。
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