管楽器はその吹き手の「姿勢」を見るだけで、ある程度の経験度や実力が分かってしまいます。まあ、どんな道具でもそれをもつ「姿」が決まっていれば、「おっ!ただものではないな。」って感じですよね。
もちろん「見た目だけ」というサックス奏者もいるとは思いますが、管楽器の吹き姿は合理的な演奏姿勢が「カッコ良さ」を生み出します。今日はその辺をポイントにお話しましょう。
サックスを吹く姿勢で「べからず」の筆頭は猫背です。背中を丸めてサックスを吹くと、どんなに息を吸っても少ししか体に空気が入りません。また息の出る量も限られてしまいます。しっかりと胸をはって、あごをやや上げるのが「息の道」をベストに保つ基本です。
クラシックの管楽器奏者たちは、「二階席を見る姿勢」とかの表現を使います。次は肩と腕です。肩に力を入れず、腕を自然に下げサックスに手を添えてください。サックスの重量のほとんどはストラップで支えます。残りのほんの少しを右手親指で支えますが、親指に跡がつくほどの重さを支えるとフィンガリングが不自由になってしまうので注意してください。またキーに添えた指からも余分な力は抜きましょう。小指や薬指は「オープン」時に「ピン」と立ってしまいがちですが、これは余計な力がなせる業です。
下半身に行きましょう。「腰を軽く落として」、と書いてある教則本が多いようですが、「軽くって、どの位よ?」と思うでしょう。今回は逆の方法で説明してみましょう。まず、「気をつけ」の姿勢を考えましょう。両足を揃えて突っ張った姿勢が、音楽に合う訳がありません。そう、「音楽をやり易い姿勢」が下半身の基本形です。足も膝も腰も、音楽に合わせて自由に動かし易い下半身の状態であれば、片足に重心を乗せようが、両膝をゴリラのように曲げようが、マラソンのスタート前の足でも、何でも良いのです。だってこれから楽しい音楽をやるんですから!
それから管楽器は全部、「振ってなんぼのカッコ付け」だと思います。マーチング・バンドのように振り回す必要は必ずしも無いと思いますが、音楽に合わせた細かい「振り」は見た目にも魅力的ですし、またフィンガリングやピッチコントロールにも役立つ場合が少なくありません。
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