スマホはもはや電話ではなく、生活のすべての面倒を見てくれる、パーソナルアシスタントになっています。ある友人が、「酔っぱらってスマホを落とし、素面になったら、自分がスマホ無しでは何も出来ない事に気が付いた。」そうです。我々サックス吹きにとっても、力強い練習パートナーになっています。過去にも何度かスマホを取り入れた練習法を紹介しましたが、今日はその「最新版」をば。
サックスの個人演習では、チューナーとメトロノームのアプリは必須です。あまりにも沢山あるのでどれがお勧めとは言い難いですが、チューナーは反応速度の速いもの(弦楽器用は反応が遅いです)、またメトロノームは振り子やインジケータ等の視覚情報が、なるべく大きく見易いものが良いでしょう。音の情報は物理的にわずかに遅延しますので、メトロノームを使った練習は「目と耳で」合わせるのが大切です。数千曲ものコード譜と、ピアノ/ベース/ドラムのリズムトリオでその伴奏をしてくれるアプリ、ご存じ「iReal Pro」はアドリブ練習の強い味方です。コード譜の移調も出来るし、なんと言ってもバックの演奏のセンスが良いです。有料アプリですが、ジャズ系の楽器奏者はほとんどが持っています。同じ音程のままスピードを増減出来たり、ピッチ(音の高さ)をシフトしたりが出来る音源プレーヤーアプリも沢山出ています。ソロ等の「耳コピ(耳で聴き取りながら譜面を作る、もしくは演奏出来るようにする)」に必須な便利アプリです。アドリブソロの書き譜(アドリブでなく、前もって準備したソロ)を作るときには「Piano Chord」というアプリが役に立ちます。「dim」や「sus4」などのテンションコードを含むほとんどのコードの構成音を、ピアノ鍵盤とピアノの和音で確認できます。ピアノの和音は転回コ ードの響きも確認できます。
バンド練習でもスマホは大活躍です。メトロノーム、録音機能、再生機能などが役に立ちます。そしてそのようなときは、スマホからの音がメンバー全員に聞こえるように、スマホのイヤホン端子からケー ブルを延ばし、スタジオのPAミキサーやスピーカーにつなげて音を拡大していることと思います。しかし最近のデジタルキッズ達は、ケーブルなんて古臭いものは使いません。「Bluetoothレシーバー(受信機)」を使えばケーブルは不要です。Bluetooth 無線通信を使った「ワイヤレスイヤホン」はもうすでに馴染み深いと思いますが、その「イヤホン役」をアンプやスピーカーにしてもらうのが、マッチ箱ほどの大きさの「Bluetoothレシーバー」です。レシーバーから出た音声ケーブルをPAミキサーやスピーカー に差し込めば、スマホからの音声はワイヤレスでそこに送られます。かなり広いスタジオや練習場でも、通信距離10m以上のBluetoothなら問題なく音は伝わるでしょう。今まで長~いオーディオケーブルを使っていたあなた。時代はワイヤレスですよ。
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