最近のサックスケースは、スリーウェイという、手持ち・肩掛け・リュック背負いの3種類の「持ち方」が出来るものが多いようです。PROTEC製のケースシリーズでは、「バックパックストラップ」という別売のアタッチメントが有り、そのアタッチメントを追加購入すれば、ケースが背負えるように変身します。とはいえ管楽器の基本ケースである箱型ケース、セルマーの超軽量パックケース、フライトケース、SKB、Walt Johnson、Winter等のメーカーのシリーズには、背負えるようになっていないものもあります。肩掛けケースをたすき掛けに背負って両手を開ける、というサックス奏者もよく見かけますが、これも軽量のアルトまででしょう。サックスケースをリュックのように背負って、安定した状態で両手が空くのは魅力的です。また重量のあるサックスケースでも、両肩と背中で重量を受け止めれば、かなりの重さでも苦にならずに移動できます。「自分のケースを背負いたい、でも出来ない」、という悩めるサックス奏者に秘密の情報(?)をお教えします。
楽器の関連製品や付属品は、その楽器の「使用人口」が多いほど多種多様で安価なものが出回っています。世界中で一番演奏者が多い楽器、「ギター」の世界に救世主がいました。「ケースサドル」とか「ケースポーター」と呼ばれる製品です。アコースティックギターのハードケースは「丈夫で重い」の典型です。しかしとんでもない金額のブツも少なくない「ギター」という楽器の世界では、「軽い?持ち易い?いやいや、重くても持ち難くても結構。丈夫が一番!」というプレーヤーが少なくありません。そんな重くて丈夫なケースを、なんとか楽に運びたいと考え出されたのが「ケースサドル」です。サドルとは馬の鞍のことですが、鞍のようにギターケースに縛り付けて固定します。ギターケースの首の部分を締めるようにベルトを巻き付け、ケースの下の部分は相撲のまわし(ふんどし)のようにT形のベルトで固定します。そうしてギターケースに固定された「鞍」には、リュック用のショルダーベルトが二本生えている。幅広のナイロンベルトと、よく考えられたバックルによって、固定した後はぴったり密着しズレることはありません。取り付けられたギターケースを正面から見ると、「むち打ち症のお相撲さん」と見えなくもありませんが、ごついギターケースがこれで背負えるようになったのですから、文句は無いでしょう。このアタッチメントはギター業界では普通に知られた製品のようです。
なんとサックスケースにもこの「ケースサドル」は使えます。要は「首」と「お尻」があれば、すべてのケースにケースサドルは取り付けられます。ベルトは伸縮自在だし、取り付け時の締め込みも特性バックルでばっちりです。バックルにセーフティボタンが付いていて、バックル部が不用意にどこかにあたっても、決してバックルが外れないようになっています。箱型ケースならアルトサックスからバリトンまで使えそうです。フライトケースのようなパック型サックスケースや、Winterのバリトンケース等にも結構上手く取り付け出来ます。検討する価値はあると思います。
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