ネットのQ&Aサイトでサックス関連質問を検索すると、かなりの頻度で出てくる質問に、 「音が出ない!どうして」があります。サックスを吹いていると多分何度かは、「あれ?音が出ない。何故?」、という場面に出くわすのではないでしょうか。そんなときのヒントをご紹介します。
サックスから全く音が出ない場合、真っ先に疑うのはリードです。というか、リードが振動していないので音が出ないのです。リードが振動しないのには、いくつかの原因が考えられます。一番多いのはリードがマウスピースに正しくセットされておらず、リードが振動することが出来ないケースです。リードとリガチャーの装着状態を確認しましょう。次に疑うのは、「振動できるリードかどうか」です。リードが折れていたり、波打っていたり、ねじれていたりして、まったくリードが音を出せない場合です。ま、この場合はリード交換です。マウスピースの先端に対し、リードの先端が遠すぎる(ディップが広過ぎるかずれている)場合や、リードが柔らかすぎてマウスピースの先端にくっ付いて蓋をしてしまう事も考えられます。この場合は、マウスピースを啼える深さを変える事で、音が出てくる場合があります。咥え方を深くしたり、浅くしたりして様子を見ましょう。このケースはアンブシャの唇の締め具合が大きく影響しますので、テナーサックスからソプラノへ持ち替えたり、アルトサックスを吹いた直後にバリトンを吹くなど、マウスピースの大きさの差に起因することも少なくありません。唇の地下鉄力加減と、マウスピースの咥える深さに対する感覚が、実際の状態と自分の思っている状態とで、かい離を起こしている場合が多いようです。
いちお音は出るが、何か芯の無いスカスカの音で、全部の息が音に変わっていない感じ。これは息漏れと考えて良いでしょう。サックスは多くの「隙間」を持っています。マウスピースとネックコルクの間、ネックと本体のネックレシーバー、オクターブキーが不適切に開いていたらこれも隙間です。各トーンホールのパッドのズレによる隙間、解放パッドの開き加減も「隙間」として影響する場合もあります。これらの場合は完全に「故障」ですので、自分で原因の究明と解決が出来なければ、早々にリペアマンのお世話になるのが得策でしょう。
一番やっかいなのが、物理的に音は出るが、サックスとしてまともな音が出ない、という場合です。サックスという楽器としての能力が出ず、「ちゃんと、音が出ない」というケースです。これはもう、原因は千差万別です。バッドの張り付き、ズレはもちろん、メカニズムの故障や管体の曲がり等、考え出したらキリがありません。基本的にリペアマンに助けを求めるのが最善だと思います。ここでちょっとしたアドバイスをひとつ。Fの音が出ないからといって、Fのトーンホールだけを気にするのは間違いです。とんでもない場所のパッドのズレでFの音がおかしくなるケースもあります。サックスって複雑な楽器なんです。
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