携帯やスマホの撮影機能が充実し、日常の「写真」や「映像」が気軽に撮れるようになった今、サックス奏者の皆さんも、自分の愛サックスの写真を撮る機会が増えたと思います。がしかし、サックスの撮影は思いの他難しいです。サックス撮影時のテクニックを紹介しましょう。
サックスを被写体にする撮影は何故難しいか、それはサックスが「ピカピカ」だからです。鏡のように周りを映し込んでしまうサックスの表面は、最も撮影の難しいもののひとつでしょう。サックス撮影のコツは、この「映り込み」をどう処理するかにかかっています。普通の部屋でサックスをスマホで撮影しようとしたら、部屋の照明や窓からの外の明かり、もしくは「何か明るい周りのモノ」が皆サックスのあらゆる部分に映り込みます。そんなときは、映り込むものをすべて無くした状態から撮影を始めます。もちろん、明かりが無ければ被写体のサックスは真っ黒ですので、まずはスマホのLEDライトで照らしましょう。サックスの表面は平らな部分が少ないので、LEDライトの映り込みは意外とカメラ側に跳ね返りません。ただし一灯のLED照明だけだと、かなり固い質感になってしまうので、もっと全体に柔らかい光も欲しくなります。柔らかい光は壁や天井を利用します。ただし広い面積で全面フラットな壁や天井でなければなりません。なぜならば、その壁や天井の面をサックス全体に映り込ませ、「全体に映り込んでいるのだけど、何も映り込んでいない感じ」を出すための面光源だからです。何も飾りのない、全面薄いグレーやベージュの「壁」のようなものが最適です。そのそばにサックスを置き、角度を考えながらカメラ(スマホ)を構えれば、良いアングルが見つかると思います。
映り込みを避けるのが基本中の基本ですが、映り込みを積極的に利用する撮影方法もあります。点光源となる電球や丸いライトはさほど映り込みが気になりませんが、線となって長さを持つ「蛍光灯」の映り込みは、サックスの写真のノイズになり、せっかくの美しさを阻害します。そんなときは、サックスの位置を調整し、蛍光灯の映り込みが管体の長さ方向に平行になるようにしましょう。蛍光灯の線が映り込みではなく、管体の曲面のハイライト(光の集まる箇所)に見えればOKです。サックスの写真は、とにかく映り込みをどう綺麗に誤魔化すか、が勝負です。
サックスの美しい角度もあります。サックスのキーが集まった「右側」からの写真が、サックスの美人アングルです。逆にするとサックスがすごくつまらない物体になりますのでご注意を。またサックスを吹いている奏者ごと撮影する場合は、やや下からあおるようなアングルが良いでしょう。遠近感がサックスや奏者の存在感を強調し、ステージ上の演奏を低い位置の客席から見上げる感じとなり、写真にダイナミック感が出ます。さあ、あなたの待ち受け画面も、自分のサックスの写真にしちゃいましょう。
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