ブラスバンドやクラッシック系のサックス奏者の方々には無縁かもしれませんが、ジャズやポップス系の音楽をやってると、必ず出くわすのがバンド用語です。もの凄くアホらしいものから、音楽的なものまで、数ある音楽業界用語の中からいくつかご紹介します。ほとんどが戦後まもなくの、「スイングバンド全盛時代」からのものなので、まあ、「化石級」ですね。
数字を「ツェー」「デエー」「イー」「エフ」という音階のドイツ読みで言う方々がいます。 「デーまんゲーせん」は、2万5千円、「イーせん通し」は、飲み会で一人3千円の割り勘ですね。同様な有名どころでは、「バンドマンの逆読み言葉」があります。「しーすー(寿司)」、「しーめ(飯)」、「るーびー(ビール)」あたりは分かりますが、「きがしゃ(楽器+車=楽器運搬車)」とか「ちーた(立ち→立奏)」なんて、初めて聞いたら意味不明な単語もあります。「あいばん(ステージで交代しながら演奏する相手バンド)」、「トラ(エキストラ→代役)」、「ぱつら(ラッパ→トランペット)」あたりは、かなりややこしいです。何となく意味は分かるが、何故そうなったか分からないバンド用語に、「はこ(ライブハウスやコンサートホール)」、「返し(ステージ用モニタースピーカー)」、「どんかま(リズムマシン)」、「インペグ屋(アーティストの録音やコンサートの伴奏、テレビ番組や映画のBGM、劇場公演のオーケストラピットでの演奏等にミュージシャンを斡旋する業者)」などがあります。
ビッグバンド業界にも、知らない人には分からない業界用語が沢山あります。バンド用語と言うよりも、ビッグバンド用語とも呼べる音楽的な隠語です。まずは、「ソリ」。同じ種類の楽器の合奏をこう言います。サックスソリは多くのアレンジで多用されており、ペイシー楽団のIn a Mellow Toneなど、名作と呼ばれる有名なサックスソリも沢山あります。サックスソリを演奏する場合は、普通サックスセクションは立ち上がって演奏します。これが「ちーた(立奏)」ですね。管楽器全員が一緒に吹き散らす(?)のを「トュッティ」と言います。イタリア語の音楽用語で、全部という意味で、「ソロ」の対義語です。「124小節目の3拍目からの8分4個はイーブンでね」と言われたら、ここの8分音符はスイングしないで、同じ長さの普通の8分音符の長さで演奏します。「言い分」と聞き間違えないでくださいね。「じゃ、一回「べ夕」で通そうか」と言われたら、曲を始めから終わりまで通すのですが、全てのリピートを省略して演奏します。本番前の音合わせ等で、時間や体力を節約する演奏です。「コーダ・コーダ」なんていう、コーダマークが出たらすぐにエンディングコーダに飛ぶ、中抜き演奏もあります。「ここは場ソロで」と言われたら、センターマイクへ出ずに、自分の場所でソロを取ります。こんな業界用語、知らなかったら分からないですよね。ま、知らなくても問題ないと思いますが。
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