中級クラスのサックス奏者の方ですら、いまひとつはっきりとした指針を持っていないのが、「いつ、リードを捨てるか」です。天然ケーン(アシ)のリードは消耗品です。必ずいつかは寿命が来ます。死んだりードをマウスピースに付けて本番のステージに…なんて、考えただけでも恐ろしい状況です。A型のおうし座の私の場合の、女性…いや、リードとの別れ方をお話ししますので、少しでもご参考になれば幸いです。
リードの寿命は?と聞かれたら、1週間のモノもあれば6か月のモノもある、と答えます。実際に恐ろしく長寿なリードは存在しますし、感覚的には使用リードの30%ほどは「長寿」な感じです。ただしこれも、「ローテーション」あっての話しです。そう、特定のリードを1枚だけ、ずっと使い続けるというサックス奏者はまずいません。4から6枚程度の複数のリードを使い回すのが、一般的なリードの使用法でしょう。ローテーションメンバーのなかで「ダメ」になったリードは廃棄し、その代わりに新しいリードを補給する。その繰り返しで、常に「良いリードを確保しておく」のが一般的なリード管理です。
さて、どんなに風になったリードが、廃棄すべき「死んだリード」でしょうか。私の場合はまず「年齢」を考慮します。仕込みを終えて、そのリードを実戦投入したした日付、そして鳴りのレベル(三ツ星:激鳴り、二つ星:普通、一つ星:様子見)をリード1枚毎に記入しています。「3/6…」と書いてあったら、3月6日に使い始めた、とても良く鳴るリードです。そのリードを吹いていて、「ん?4か月?寿命だな」、として廃棄します。吹いていて、そのリードが寿命ではないかと感じる、「ん?」のポイントはどこかというと、「息の変化にリードの反応が付いて来ない」、「大きい音が出せない」、「小さな音が安定しない」、「リードミスが頻繁に出る」、「音が曇って来た」、等々です。吹奏感や出てくるサウンドに加え。「先端を押すと、リード振動部全体がしならずに、先端だけがクネッと曲がる」、「リードの先端が不規則にうねっている」、「リードが平たくなく、ねじれている」、等の物理的な状態も「ダメ基準」となります。
ダメになり始めたリードにきっぱりと別れを告げられるのは、自分のサウンドをシビアに管理しているプロのサックス奏者達です。優柔不断で貧乏な、我々アマチュアサックス奏者達は、未練たらたらと判断を延ばし、どうしようもない状態までリードを使い続ける事がほとんどでしょう。しかし瀕死のリードを使って練習をしても、何ひとつ良いことはありません。アンブシャにも不自然さが出てきますし、奏法にも無理な力が入るでしょう。「ん?」と感じて、「ダメかな」と思ったら、潔くそのリードの先端を指で割りましょう。「今までありがとう。さようなら」と心の中で呟きながら…。ダメになったリードの使い道?そんなものは有りません。ただの燃えるゴミです。
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