他の楽器にも言える事ですが、サックスを吹くという事は、その道を究める長い旅でしょう。そして、道には必ず経験豊かな「先輩」が先を歩いており、後から来るものに適切なアドバイスをくれます。そんな先輩たちに私たちは憧れます。先輩は、「モノの見分け方」を良く知っています。野草の達人が毒キノコの見分け方を教えてくれるように、「サックス吹きがしてはいけない事」を沢山教えてくれます。私が多くの先輩から教えていただいた、毒キノコの見分け方(?)をほんの少しお伝えします。
リペアマンの巨匠は、かなり独断型に我々の道具を否定します。私は使っているスワブを3回ほど、色々なリペアマンさんに否定されました。特に製品名を挙げることはしませんが、「毛羽」、「繊維」、「事故対応」に関して、スワブの良し悪しが決まるそうです。「使っていて少しでも毛や繊維がスワブから落ちる物は使っちゃダメ」、また「管体にスワブが詰まった時に、逆に引き出せないスワブは要注意」、だそうです。細かい繊維はトーンホールの縁とパッドの間にくっ付き、空気漏れの原因となるそうです。目に見えない程の細かい繊維が一番厄介で、分解しないと分からない場合もあるそうです。逆引きの紐の無いスワブは管内のオクターブパイプに絡んでしまった場合、スワブを「破壊」しないと取れません。いずれにしろ、悪いスワブは「修理代」を発生させます。
悪いリードの話しも沢山聞きました。「皮に黒いしみが多いと鳴らない/鳴る」、「黄色より茶色が濃いほうが鳴る/鳴らない」、「光にかざして、透ける光が左右対称なら鳴る」など等。そう、これなら鳴る、が鳴らないと言われる場合も数多く、何か何だか信用できません。真理かなと思ったコメントは、「鳴らないリードは、何をやっても鳴らない」かもしれません。削ったり、形を整えたりしても、「抜群の鳴り」には届かない事がほとんどです。
楽器本体やケースについても、先輩方の名言は沢山あります。「持って、振って、カチャカチヤ音がするサックスはダメ」とか、「サックスを前倒しの水平にし、下側から覗いて管体が曲がっていたら、そのサックスはダメ」、「各キーの戻る力が極端にばらついているサックスは要注意」、「ネックを手で撫でて、どこか出っ張りを感じたら、そのネックは変形している」などというサックスの見分け方。「蓋を開けて、その蓋が簡単にねじれるサックスケースは強度不足」、「サックスを入れて、振って、力夕力夕と中でサックスが動くようなら、そのケースは買わぬが吉」、「ベルトの金具や開閉金具がツルッツルではなく、ブツブツの表面だったら、強度不足の金属の可能性あり」など等、どれも良く考えれば理に適ったアドバイスです。先輩方の講釈には良く耳を傾け、しっかりと取捨選択して(笑)自分の役に立てましょう。
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