サックスをやっていると、色々な外国製の「用語」に出会います。おかしな和声英語は今の日本に氾濫していますが、サックスに関連する変なカタカナも少なくありません。
マウスピースブランドの「Meyer」は何て読みますか?メイヤーでしょうか、マイヤーでしょうか。発音的にはマイヤーが近いようですが、日本ではほとんど「メイヤー」で通っています。たまに「マイヤー」と言うひとを見ますが、少数派のようです。「Buescher」はヴィンテージサックスのメーカーです。ついこの間まで、多くのサックス奏者が「ブッシャー」と呼んでいました。正しくは「ビッシャー」とのことです。ネットの動画で、アメリカのあるコレクターが、「これはビッシャー・トゥルートーンというサックスです。ブッシャーでもベッシャーでもありません。」と話しているのを見ました。思わず吹き出してしまいました。本国アメリカでも混乱していたんですね。まあ、これは人名なので混乱はしょうがないでしょう。
人名といえば、有名なマウスピース職人、「Theo Wanne」は、今でこそ「セオ・ワニ」と正しく発音されていますが、彼のブランドのマウスピースが日本に出回り始めた初期のころは、多くのメディアで「テオ・ワン」などと呼ばれていました。 YouTube動画で本人が、「どうも、セオ・ワニです。」と言ってから、修正が進んだようです。ジャズ界で著名なギタリスト、「John McLaughlin」も色々言われました(笑)。「ジョン・マクラグリン」やら「ジョン・マクローリン」やら、色々なカタカナ表記が混在していました。来日公演をおこなった時、ハートの強い司会者が、「あなたの名前はなんて発音すれば良いのですか?」と聞いてくれ、本人から、「僕の名前は、ジョン・マクラーフリン」と言わせました。「フ」はちょっと小さめに発音するようです。
サックスの部分にもいろいろな誤訳、誤使用があるようです。サックスネックの本体側に差し込む部分は、多くのサックス奏者が「シャンク」と呼んでいます。間違いではないのですが、英語のサックス修理マニュアル等では、ほとんどの場合「テノン(tenon)」と呼んでいます。英語圈の人と話すときはご注意を。サックスの卜-ンホールを塞いでいる部分を「キー」と呼ぶひとが少なくありませんが、あれは「カップ」です。「キー」は指で触る部分です。ですので、「サックスは、キーに連動するカップに収めたパッドで、管体に開いた数々のトーンホールを塞ぐことで、異なる高さの音を出すことが出来る楽器」、というのが正しい表現です。
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