楽器奏者に必須な作業がチューニング。演奏をするスタジオやらステージ等、演奏場所のピアノに合わせて、基準音にチューニングしてバンドのピッチを合わせます。ポーン、ポーンとピアノを弾いて、その音にバンドの各楽器が合わせるのがかつては普通でした。しかし最近ではまずピアノの音をチューニングマシンで確認し、「はい、今日はA=441Hzね!」などというコンマスの指示で各自が自分のチューナーを校正し、自分の楽器の音をチューナーのクリップマイクで拾ってチューニング、なんて感じが当たり前ではないでしょうか。今日はもう離れられない秘密兵器、チューナーについてお話しします。
最近では「機器」としてのチューナーを使わず、スマホのアプリで済ましている楽器奏者も少なくありません。かなり高機能なチューナーアプリでも無料の物が沢山あります。アプリにしろ独立した機器にしろ、チューナーには「管楽器用」と「弦楽器用」かあるのをご存知でしょうか?それはチューニングする音の特性による違いです。管楽器の音は口の加減で音のピッチが揺れます。それに対し弦楽器は「ポーン」と引いた音は一定のピッチを維持します。管楽器用のチューナーは、ピッチの揺れの平均部分を取り出してメーターが反応するようになっています。これに対し弦楽器用チューナーは、ブレがないので反応が早く、「低い」、「高い」の結論をすぐに出すようになっています。弦楽器用のチューナーでサックスをチューニングしようとすると、表示がバタバタ変化し過ぎて対応できません。その他の機能もチューニングする楽器の特性で細かく違うので、くれぐれも弦楽器用チューナーでサックスをチューニングしようなどという、無謀なことはしないようお願いします。
チューナーは、基準音への楽器のピッチ調整だけが目的の機器(またはアプリ)ではありません。特に管楽器奏者にはとても便利な練習道具でもあります。アンブシャの状態によるピッチのブレを確認でき、どの音域でどのくらい口で調整出来るかを知ることが出来ます。サックスでどこかの音を出し、アンブシャを締めたり緩めたりして、ピッチのブレの幅を確認します。これは、「この誤差以内であれば演奏しながらピッチを修正できる」ことを意味します。低音域の音、高音域の音のいくつかでこの確認をすれば、自分がその楽器の演奏中に、どの音はどの程度「口で修正できるか」を知ることが出来、チューニングの精度も楽になってきます。この逆は、「演奏中にどれだけ狂うか」でもあります。演奏中に油断すると、自分のピッチがどこまでずれてしまうかも把握できます。この確認を頻繁におこない、日頃の練習のルーティーンにしておきましょう。チューナーのメーターを見ないで吹き始め、「どうかな?」と目を開けてメーターを見る練習もお勧めです。どうしてもメーターを見ながらチューニングすると、口が自然にピッチを修正してしまいがちです。自分の標準アンブシャを決めておき、その状態のマウスピースの抜き差しでチューニングするのも重要です。チューナーの機能を上手く練習に取り入れてください。
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