全世界にサックス奏者はいったい何人いるのでしょう?始めやすい管楽器としてナンバーワンと言われている「サックス」ですので、相当の数の方が日夜(?)サックスを吹いていることでしょう。私自身サックス奏者であり、多くのサックス奏者の友人がいます。そしてそんな「サックス仲間」の間で、各々個人が開発した「サックスの技」があります。演奏に関しての「技」ではありません。サックスと付き合っていくための「誰も教えてくれそうもない小技」です。今日は私か実際に目にした、面白いサックスに関する小技たちを紹介しましょう。
サックス奏者は持ち替えが多いです。ソプラノとテナーの二本持ちなんて可愛いほうで、ビッグバンドのサックスセクションでは、テナーサックスに加えてソプラノサックス、フルート、クラリネットなんて4本持ちも珍しくありません。これらの楽器全部、吹くのは自分ですから、ステージに持って行くのを、誰が助けてくれるわけではありません。多くのサックス奏者は、この4本の楽器と譜面と楽器スタンドを一人で抱えてステージに向かうのです。賢明な奏者なら何回かに分けて運ぶのでしょうが、両手・両脇を使い、口で啼えてまで一度に運ぼうとするのが大多数です。この中ですごい技を見ました。クラリネットとフルートそれぞれに被せるフェルトの袋を自作し、それに入れた楽器をサックスのベルに入れて運んでいるのです。テナーサックスのベルならクラリネットとフルートくらいは入ってしまいます。フェルトの袋に入っているので、楽屋からステージ程度の距離なら、サックスのペル内部やフルート、クラを傷つけることもありません。フルートもクラも、裸でベルに入れるのは危険が多過ぎます。普通のサックス奏者がベルに入れるのはもっぱら譜面が多いようです。でもフェルトの袋を使えば、サックスのベルがかなりの収納性能を発揮するのです。ちなみにこのフルートとクラリネットの「袋」は、炎天下の野外ステージの場合、「楽器の日除け」にもなり、直射日光で「熱々」になるのを防げます。
アンサンブルの練習中に、リードが鳴らなくなってきたらどうします?交換しますね。しかしマウスピースをネックから外してリードを付け替えたら、チューニングをやり直さなくてはなりません。ある友人は、ネックをサックス本体から外してマウスピースのリードを交換します。なるほど、これならピッチは動きません。また、マウスピースの奏者の上前歯が当たる部分に、多くのサックス奏者が「マウスピースパッチ」と呼ばれるシールを貼り、前歯が直接マウスピースに触るのを防いでいます。歯への振動を和らげたり、マウスピースに歯形が付くのを防いだりするものですが、なかなか好みの物を探すのが難しいようです。クッション感はOKだが、歯の滑りが今ひとつとか、またその逆とか…。ある友人はパッチを2枚貼って、その不具合を解決していました。「パッチの二枚貼り」って目からウロコではないですか?ただしマウスピースパッチの厚さや広さは、マウスピースのサウンドに微妙に影響しますのでご注意ください。
ちょっと困ったことを真面目に考えると、何かしら解決のアイデアが出るものですね。
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