サックス 演奏

PAアンプの使い方

*PA(ピーエー)アンプとは、Public Address Amplifier(パブリック・アドレス・アンプリファイアー)のことで、校内、工場内、店舗内、駅構内などで、沢山のひとにアナウンスを伝えたり、BGMを流したりする拡声システムの総称です。音楽関係に限れば、ステージの音をマイクで拾い、会場内の聴衆にバランス良く音を伝えるためのミキサー兼拡声装置です。リハーサルスタジオや音楽練習室には必ずと言って良いほど備えてありますし、ライブ会場などで、「機材はあるけど、ミキサー(音を調整する技術者)はいません。演奏者が操作してね。」という会場もあります。通常は技術者が操作しますので、面倒くさい操作を覚える必要は無いのですが、自分でPAアンプを操作する必要がある場合の、「困らないための超基本PA操作」をお教えしましょう。
 「PA」とざっくり称するものの対象は、マイク、ミキサー(ミキシング・コンソール:マイクからの音量や音質を整える機械)、増幅アンプ(スピーカーを鳴らすための増幅器)、スピーカー、の四種の器材から成り立つシステムです。操作らしい操作が必要なのはミキサーだけですので、今日の話しはほとんどミキサーの基本操作です。他の器材については、全部の機械をオンにしたのに、全く音が出てこない、なんて場合の対応に、音の入口のマイクから、出口のスピーカーまで、線がつながっているかどうかを確認するくらい良いでしょう。ミキサー(技術者ではなく機械です)はほとんどの場合つなげられるマイクの本数分のスライドボリューム(フェーダー)が付いています。フェーダーでは「入力のレベル」を操作します。一番上のポジションでは「マイクから音を沢山もらう」、一番下では「音をもらわない」となります。「GAIN」と書かれたボリュームも重要です。このボリュームはフェーダーで操作する前の入力の信号を、どの程度増幅するかのボリュームです。ミキサーにマイクではなく携帯ミュージックプレーヤーやスマホ等をつなげるときは、この「GAIN」で入力信号の加減をします。やたらノイズが入ってしまう場合は、このGAINを下げていくと止まる場合が多いです。
「PAN」と書かれたツマミは、ステレオスピーカーの左右(R&L)のバランス調整です。真ん中にすれば左右同じ音量、左右に振ると音がそっちに勣きます。 LOW、MID、HIGHのツマミは低音域、中音域、高音域の音成分の調整です。必ずミキサーの右にある赤い(ほとんどの場合)フェーダーは、マスターボリュームとしてスピーカーを鳴らす音量全体をひとまとめにコントロールするものです。
 なんとPAについて知っておくべきことはこの程度で十分です。マイクフェーダーとGAINは入れる量を、マスターボリュームは出す量をコントロールするのだという事を理解しておきましょう。入力機器を接続・脱着するときにはマスターボリュームを絞って、不用意な爆音がスピーカーから出ないようにし、音質がおかしいときはGAINやマイクフェーダーを調整すれば解決できる、と知っておけば十分です。これ以上の操作が必要になっても、この基本さえ押さえておけば、何とかなると思います。
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