譜面はバンドの命であり宝です。ビッグバンドやブラスバンド等の大きな編成のバンドは皆、譜面の有無で一喜一憂します。やりたい曲を持っているか、買うための資金、欠譜(パート譜の一部欠損)、書き込みだらけで見難い譜面、違法コピーへの対処、などなど、演奏環境を整えるための譜面に関する問題は沢山あります。色々なバンドが苦労しながら譜面管理をしています。今日は譜面管理のポイントについて考えてみましょう。
アマチュアビッグバンドでは、パートごとに譜面を管理しているケースが少なからず見受けられます。各パートのメンバーひとりひとりが責任を持って「自分の譜面」を管理するのは、人任せにしない意味でも重要です。あるバンドでは、バンド所有のオリジナル譜面のパートファイルと、メンバー持ち帰り用のコピーファイルと2種類を常に持ち、オリジナルの譜面は絶対に持ち帰らせない、かつ練習には必ずオリジナルを用意する、という譜面管理をしています。この方式の良い点は、どのパートのメンバーがリハーサルを休んでも、その代役(トラ)さえ確保すれば、代役はオリジナル譜面でリハを遂行できるという点です。持ち出し禁止ですので、揃っている譜面がいつの間にか欠譜するのも防げます。ただし何かの理由で欠譜してしまうと、その発覚が遅れ、取り返しのつかないことにもる場合もあります。この譜面管理方法の場合は普通、各曲には番号がふられており、番号でやる曲を指示します。ビッグバンド全盛時代の歴史的なビッグバンドのほとんどが、各メンバーが数百曲もの譜面を各自ステージに持参し、「ナンバーXX!」のリーダーの掛け声で演奏曲を選んだそうです。
逆に曲ごとにまとめて譜面を管理しているバンドも沢山あります。レギュラーメンバーが決まっていないプロのバンドは皆この方式です。リハや本番でその曲をやる度に譜面を各メンバーに配布します。この場合は曲単位の管理がやり易いのですが、メンバーは個人練習のために必ず自分の譜面をコピーしなければなりません。ちなみに、バンドで購人した譜面を、メンバーが自分のパートをコピーして持っていることは違法ではないそうです。
IT技術を使った近代の譜面管理の進歩も素晴らしいものがあります。あるバンドではすべての譜面をデータ化し、リハ前の「リハ告知メール」に、そのリハで練習する曲の譜面データを添付しています。メンバーはデータをプリントして持参すれば、そのリハで譜面に困ることは無い訳です。ま、事前にそのリハーサルで練習する曲を決める必要はあります。またプリンターを練習場に用意するバンドもあります。紙の譜面は普通に用意していますが、必要な譜面が見つからない場合、また急きょ参加した助っ人メンバーの為などに、グラウト (ネット上の保存場所)に保存した譜面データから必要なものをダウンロードして、その場でプリントしてしまう、という荒業です。同じ方法で自分のパートの譜面をグラウト保存し、リハや本番ではタブレットPCで譜面を見て演奏する、というIT系サックスプレーヤーも数多くいるようです。譜面めくりがちょっと面倒臭いらしいです。
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