あなたが楽器と一緒に持ち歩く小物入れの中には何か入っていますか?コルクグリスや吸水ペーパー、マウスピースパッチの予備。このへんは基本形でしょう。ドライバーやラジオペンチ、ピンセット等が入っていれば、「ちょっとした不具合は自分で修理」派ですかね。バネ掛け工具やコルク/フェルトの予備、瞬間接着剤や小型バーナー、なんてものを持ち歩くのは「ほぼリペアマンプレーヤー」ですね。サックス奏者には、こんなに持ち歩く小物があるのですが、「手鏡」は持ち歩いていますか?「はあ、なんで?」と思われるかもしれませんが、「手鏡」は是非小物入れに入れておくことをお勧めします。手鏡の意外に便利な使い道についてお話しします。
手鏡はもちろんステージ上で使うものではありません。ステージ本番直前に、「顔に何か付いてないか」、「ネクタイは曲がってないか」、等の確認には使えますね。でもここでお話ししたい手鏡の使い方は、練習に役立つ使い方です。大ざっぱに言えば、「鏡を使って自分の演奏状態を見て、色んなことをチェックし確認する」ために手鏡を使います。手鏡といっても文庫本くらいの、ある程度の大きさのものが使い易いと思います。
鏡の術:その一、アンブシャチェック!手鏡で自分のアンブシャを確認しましょう。マウスピースを啼える深さ、上下、左右の角度、口の周りの筋肉の閉まり具合、下あごの前後運動のストローク等。これらのすべてを、サックスプレーヤーは「つもり」でやっています。しっかりと鏡で確認すると、「え?こんなに下から吹いてたの?」とか、「曲がってマウスピースを唾えてるよぉ。息が真っ直ぐ入るわけないじゃん。」、のようなポイントに気が付くことができます。また、鏡を見ながら、「もう少し深く加えると、どういうサウンドになるか」等の、奏法の研究をすることもできます。自分の「つもり」を、鏡を使えばしっかりと自分の目で確認することが出来るのです。
手鏡をちょっと離れたところに置いたり、壁に掛けたりすれば、自分の演奏姿勢を確認することも出来ます。鏡の術:その二です。背筋の曲がり具合、首の突き出し具合、あごとマウスピース/ネックの角度、楽器と自分の距離、演奏姿勢の体のねじれ、ストラップが首周りのどこに位置しているか、など等、演奏姿勢の全般を確認してください。高い確率で発見できるポイントは、「楽で自然な姿勢をとっているつもりが、鏡で見たらとても苦しそうな姿勢だった。」等の発見です。もちろんそのような発見後は、「楽に見える姿勢」と「楽に感じる姿勢」とを比べながら、客観視と主観が一致する、最適な演奏姿勢を見つけ出す努力が必頂です。
と、言いながら、実は私、最近は手鏡を持ち歩いていません。スマホという便利なものが出来たので、鏡が無くても「客観視による観察」が出来てしまいます。写真を撮って改善前と改善後との比較、なんてことも可能です。動画を撮るのも良いでしょう。世の中便利になりました。
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