楽器を演奏するひとの性格は、その演奏する楽器で分類できると言われています。例えば、トランペット奏者はおおらかで、細かいことは気にしない人が多い…とかです。ではサックス奏者の性格はどうでしょう。アルトかテナーか、バリトンか等でも違うようですが、大雑把にくくると、「細かい事に気が付き、ルールは守ろうとする真面目派」、がサックス奏者の性格の傾向のようです。話がまわりくどくなりましたが、サック奏者は真面目ゆえに、楽器の手入れも細かい人が多いようです。教則本に書いてある通りに、先生から指導を受けたままに、もしくはそれ以上気を使ってサックスをお手入れしていませんか?実は繊細なサックスの扱いも、雑にしてもOKな部分がかなりあります。サックスの扱いでの雑の極限をご紹介しましょう。
演奏後のマウスピースはどう扱っていますか?リードはマウスピースから外してリードケースに仕舞い、マウスピースはスワブを通して水分を拭いてから柔らかい布でくるんで保管、というのが普通ですね。でもズボラ派は大胆です。ネックから外したマウスピースを、リードを付けたままビニール袋に仕舞います。家に帰ったらそのままそれを冷蔵庫で保管。これが「王道」のリードのズボラ保管です。ビニール袋に入れれば湿度は演奏時に近い状態で保持されるので、リードには好条件です。そのまま冷蔵庫保管なら雑菌の繁殖もある程度抑えられます。リードをマウスピースから外さないので、先端を傷付ける危険や、セッティングの調整の手間も省けます。実はこれは往年のジャズ系サックス奏者の一般的な方法だそうです。演奏を始める際に、楽器をケースから出して、最短時間でプレイ状態に持って行ける、ある意味実践的なお作法だと思います。
サックス本体の扱いに関しても適切な「ズボラ式」があります。演奏の後、サックス本体とネックにいちいちスワブを通し、水分を拭き取るのは面倒ですよね。ではどうしたら良いのでしょう。答えは…何もしないのです。サックスを逆さまにしてベルから水分を出したら、そのままケースに仕舞ってしまいます。ただし、ちょっとした配慮が必要です。家に帰ったら、サックスのケースは蓋を開けて、通気を良くして保管してください。サックス内部の水分は、高い湿度のまま、また濡れたまま放置することで、金属の腐食や汚れの固着の原因となります。スワブを通さなくても、楽器そのものを通気性の良い状態で保管すれば、内部の水分はすぐに自然乾燥してしまいます。「ケースの蓋を開けて」式のサックスの保管は、スワブを通したサックスでもお勧めです。サックスケースの蓋を開けた状態での保管はかなり邪魔ですが、サックスをケースから出して、スタンドにセットして保管する、という方式のサックス奏者も少なくありません。空のケースは棚などに仕舞えるので、このほうが意外と便利かもしれません。
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