今日はずばり、サックスマウスピースの掃除のしかた。知ってる人も知らない人も、覚えてる人も忘れちゃった人も、しっかりご確認ください。
マウスピースの日頃の手入れは、「基本、スワブ一回通し」です。演奏を終わったサックスのマウスピースは、ネック用のスワブ、もしくはそれより小さい布切れを、お尻(唾える方と逆の端)から一回通します。一回です。一回で十分です。やってはいけないのが、唾える方の先端から布を通す事。ディップ(先端)やバッフル(内部の天井)、サイドレール(左右のレール)等のマウスピースの大事な部分が摩耗し、そのマウスピースの機能や音色が変化してしまう場合があります。マウスピースの外側は、柔らかい布で水分を拭き取る。これで十分です。以上、サックスマウスピースの毎日のお手入れでした。
さて、こんな「ちょいちょい」と簡単な掃除ですので、サックスのマウスピースはだんだんと汚れてきます。マウスピースの口に入れる部分には白い汚れが固着します。これは唾液のタンパク質成分が固まったものです。マウスピース後端の筒の部分には黒いべたべた汚れが付着します。これはコルクグリスがホコリを巻き込んで固まった汚れです。サックスのマウスピースは、一か月もすればこのような汚れで見るも無残な状態になります。でも、気にしないでください。サックスのサウンドに関係するのは、マウスピースの内部です。外見はほとんど音に影響しません。逆に、あまり神経質に「きれい」を保とうとすると、マウスピースの重要な部分を損傷してしまいがちです。サックスのマウスピースは非常に繊細なので、汚いくらいでちょうど良いと思います。
サックスマウスピースの大掃除は、ぬるま湯に浸す事から始まります。マウスピースを横に置いてお湯に水没するくらいの容器のなかで、十分程浸しておいてください。タンパク汚れやグリス汚れがこれで浮いて来ます。その後は、手洗い用の石鹸を手のひらで泡立て、その泡で、手の指を使って優しくマウスピースの外や中をさすり洗いしてください。決して強く擦ってはいけません。優しく撫でて洗ってください。新品のマウスピースであれば、これで十分にきれいになります。しかしヴィンテージマウスピースや使い込んだマウスピースでは、メッキがはげた部分に「錆び」が出ている場合があります。この錆びの掃除は慎重さを要します。使用する自分が許せるなら、そのままにしておくのが一番ですが、まあ、きれいにしたい気持ちも分かります。錆び取り用の薬品で一番表面を傷つけないのは、ZIPPOのライターオイルです。ベンジンとシンナーの中間のような溶剤力で、金属表面の曇りを取りますが、金属を摩耗させるコンパウンド材(研磨剤)は入っていません。それでだめならシルバーポリッシュを試しましょう。銀用の研磨剤なのできめが細かく磨けます。それでもだめなら、ピカール等の「金属研磨剤」や「錆び取り薬品」です。ただしマウスピースの内側は、これらの薬品では絶対磨かないでください。サウンドが変わってしまいます。さび落としが終わったら、先ほどのぬるま湯の浸け置き洗いで薬品を流し落としてください。最後は柔らかい乾いた布で水分を拭き取って清掃完了です。
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