サックスという楽器は複雑なメカニズムがかみ合っており、とても繊細な楽器です。ケースに入れて持ち歩いただけでも、小さな揺れでメカニズムの連動機構の調整が狂い、楽器としての性能が低下してしまう場合もあります。さてさて、こんな「ヤワ」な楽器に対して、どう扱ってあげるのがベストなのでしょうか?
サックスを持ち運ぶときのベストな状態は何か?サックスばかりでなく、すべての工業製品の「移動」、「輸送」に関して共通な解が有ります。それは、「工場出荷時の状態」です。多くの工業製品は、製造ラインの工場から全世界へと発送されていきます。トラックで、船で、飛行機で、過酷な条件で長い距離を運ばれ、販売店、そして購入者の手へと移動します。この条件から比べれば、あなたが楽器をケースに仕舞い、電車でスタジオへ向かうなどという「輸送」は決して過酷なものではありません。しかし面倒なことに、ちょっと気を緩めると、ケースの中のサックスはダメージを受けてしまいます。サックスの工場出荷時の状態を考えてみましょう。
サックスの梱包状態にさほど特別なことはありません。段ボールの外装箱と内部のウレタン材で、外部からの力やショックから内部を守ります。サックス本体はビニール袋やクロスに包まれ、金属を浸食するようなガスや、細かい擦れ等から守られています。サックス本体には小さなコルク片を使い、サックスのトーンホールカップが塞がれた状態になるよう固定された状態になっています。サックスのトーンホールのカップが開いた状態だと、外部からの振動でカップがシャフトを軸に揺れ、カップ自身の重量でカップの適切な位置がずれてしまいます。これを防ぐためにコルクで固定してあります。この仕組みを通常のケースによるサックスの持ち運びに対応したものが、俗に言う「サックスクランプ」や「キークランプ」です。いくつかのメーカーから出ているようですが、いずれも容易にサックスのトーンホールカップを塞いで固定することが出来ます。これらのクランプを、サックスをケースに仕舞う際にサックスに装着しておけば、移動時の多少の揺れでは、サックスのメカニズムはダメージを受けません。クランプはビニールコーティングされた太めの針金の場合が多いようですが、自分で自作することも不可能ではありません。締め付け過ぎない、サックスに傷を付けない、装着が簡単、を目指して針金で工夫してみてください。また、もっと簡単な自作クランプもあります。サックス梱包状態のようにコルクを使いますが、いくつものコルク片は着脱時にどこかにいってしまう場合があります。これを防ぐために、各コルク片に糸を通し、バラバラにならないようにします。コルクを大きめに作っておけば、装着、取り外しも、意外と簡単にできます。車移動や長距離電車移動が日常的なサックス奏者の方々は、是非お試しください。
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またアクセサリの収納部分も広く使えるよう設計されています。
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