最近のリガチャーの進歩は目覚ましいようです。進歩だけではありません。サックスやクラリネットで大昔に使われていた、かつてのリガチャーの原型のスタイルにまで幅が広がっています。今日は注目すべきリガチャーのタイプや、リガチャー使用時の注意点などをお話しします。
最近、復刻して人気が出てきたのが「ヒモ式リガチャー」です。クラッシック系のクラリネット奏者には、今も昔も歴史を越えて人気のあるヒモで編んだリガチャーです。毛糸よりもやや太い、丈夫な綿や化繊のヒモを編んで帯状にし、その帯でマウスピースとリードを「縛りつける」ものです。ヒモを引っ張って強度を調整するので、リード装着時は多少面倒な感じですが、リードの安定性やサウンドのクリアさは抜群です。リガチャーの原型は麻糸でリードとマウスピースをぐるぐる巻いて固定したものと言われていますが、近年のヒモ式リガチャーはいろいろな工夫で、締め易く、外し易くなっています。同じような「帯で締める」タイプにはベルト式があります。合成皮革や樹脂、または金属の帯でリードを固定します。逆締めタイプが多く、しっかりと固定できるので人気が高いようです。最近のベルト式リガチャーの中には、ネジを締めるとベルトを両側から引っ張る構造になっていて、リードを押さえる力が均等になるよう考えられたものもあります。これはベルト式のリガチャーを使うときに注意すべきポイントですが、ベルトとマウスピースの間に摩擦が多い、つまり滑り難い状態になっていると、ネジを締める事でベルトの一方のみを引っ張る事になる場合があります。これによってリードは不均等に締め付けられますので、自分のベルト式リガチャーとマウスピースがどんな状態で接しているかを確認してみてください。
ハリガネ式のリガチャーもかなりの種類が出ています。リガチャーの重さやマウスピースに触れる部分の面積を最小限にし、マウスピース本来の「鳴り」を活かす構造のリガチャーです。しっかりとリードが固定され、マウスピースが良く響くのがこのタイプの長所ですが、チューニング時にマウスピースを抜き差しするとき、「手が痛い」ものもあるようです。こういう場合は、マウスピースの根元を持って抜き差ししたり、一旦リガチャーを外してマウスピースの抜き差しをする、なんて技が必要です。
薄い金属の板を打ち抜いて丸めたタイプの、伝統的なリガチャーも多くの改良が施されて人気のリガチャーになっています。このタイプのリガチャーでは、材質の質や軽さ、金属の均一性、強さ、等、非常に細かい部分でサウンドの味付けが変わってきます。まったく同じ見た目でも、有名メーカーのものとメーカー不明のものでは、使ってみると雲泥の差、ということが珍しくありません。
多くのメーカーが、各社の自信作としての各種リガチャーを出しており、その多くは総じて素晴らしい性能です。でも、リガチャーは自分のセッティングにフィットして初めて生きて来ます。必ず試奏することを勧めます。
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