サックス奏者にとって永遠の悩み事であり、日常の重要問題である「リードの品質」に関しては、色々な事をお話ししてきました。リードの厚みとディップオープニングの関係、リードの調整のし方、鳴るリードの見分け方等は過去にお話ししたと思います。しかしリードに関して、唯一お話しするのを忘れていた事が有るのに気が付きました。「選別で漏れたリードはどうするか」です。もし記憶違いで、既にお話ししていたらご勘弁ください。今日は「選別に漏れたダメリードの始末のし方」です。
鳴らないリードに手を加え、鳴るようにする技術についてはお話したと思いますし、今では一般的なノウハウとして巷で語られているようです。しかしそれでも駄目だったリードはどうすれば良いのでしょうか?なにせ1枚300円近い高価なリードですので、「鳴らない」といって捨ててしまうのはもったいない気がします。マウスピースを仕舞うときの先端のガードとして使うのも一案です。コルクグリスを塗る「ヘラ」にするのも良いでしょう。 しかしリードは鳴ってなんぼです。やはりサックスを鳴らすために使ってやりたいものです。そう、選定して「ダメ」なリードでも、捨てずにとっておきましょう。1年でも2年でも、「鳴らないリード箱」を作って保存してください。ひょっとしたらそれらが10年後に「鳴るリード」になっているかもしれないのです。
「じっくり長時間乾燥する事で腰が変わる」とか「繊維質の反発力が経年変化で改善される」などと言えば、なにか科学的で信じられそうな理屈の感じがしますが、あまりあてにはならないようです。しかし、「10年保存しておいたダメリードが鳴るようになった」とか、「デッドストックの大昔のリードを発掘した。ヴィンテージリードは良い音がする」、なんていうコメントが「事実」であることは確かだと思います。私も押し入れの奥に仕舞い込んでおいた10年前のダメリードを発見し、使ってみたら鳴るわ鳴るわ、という経験が有ります。10年という月日がリードを変えたのでしょうか?たぶん違うと思います。自分が変わったのです。自分の奏法が10年の間に変わったのです。1年前のダメリードでも、ひょっとしたら今の自分の奏法に合うようになっているかもしれません。ダメリードとはリードと言う製品として不良という訳でなく、購入した今のあなたにとって、「鳴り方が気に入らない」というだけなのではないでしょうか?1年後、5年後、10年後のあなたの奏法には合うリードかもしれません。サックス奏者の奏法も体格も、求める鳴りも変化します。そのときのリードの性質を単純に決めつけるのではなく、長い目で見てみませんか。将来の自分には「鳴るリード」になるかもしれません。あ、「物理的にどうしようもなくダメなリード」も多少は存在するようです。さすがにこの類は取って置いても良い事は無いでしょう。
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