管楽器の中で、サックスほど奏者がサウンドにこだわり楽器は無いと思います。同じ楽器を吹いても、奏者が違えばまったく異なる音が出る、と言われるサックス故に、サックス奏者のサウンドの追求は呆れるほどのものも少なくありません。楽器の選択、マウスピースの研究、セッティングのこだわり、リードの種類、ネックの材質、サムフックやサムレストの材質、等のこだわりは「当たり前」のことでしょう。これらの「サウンドの研究」のレベルをはるかに超えた「こだわり」を追求するサックス奏者がいます。彼らは「スーパーマニアック音質追求」と呼ばれても良いはずです。驚愕の音質へのこだわりの数々を紹介しましょう。
ルーズリップやファットリップ等のアンブシャや、息のコントロールの為の喉の開け方、口腔の形等がサウンドに大きく影響するのは周知の事実です。これがより深いこだわりになると、「歯並びの矯正」、「音を伸ばしているときの舌の位置」、「頬の肉の厚さ」もサウンドに影響するという方たちがいます。痩せて頬がこけたら、サックスの音が変わった、というのは結構耳にする事象です。体重の増減もサウンドに影響するらしい(?)です。
サムレストとサムフックの材質、またストラップの構造や材質がサウンドを変える事も常識です。さあ、この進化形は…。左右の手首の腕時計やブレスレッドのバランス、材質、また有無がサックスのサウンドに影響するというスーパーマニアが少なからず存在します。指輪も影響するとのことです。私の実験でもなんとなく「変わる」と感じました。要は、奏者の体もサックスの振動に少なからず影響を与えているということでしょう。奏者の体の観点から、靴底の材質、上着の状態がサウンドに影響すると意見もあります。体がサックスの振動をどう反射するかが上着で決まり、床にどう振動を伝えるかが靴底で変わるそうです。これはさすがに「???」です。これを言い出したら、舞台の床の材質や、他のバンドメンバーの立ち位置もサックスのサウンドに影響を与えるということに成ります。ま、そうかもしれませんが。
サックス奏者側の「スパーこだわり」の他、サックス本体側のそれも少なくありません。一番多いのは、「掃除をしないで汚れを溜めるとサウンドが丸くなる」、というこだわりです。サックスの楽器本体の「熟成」をさせるのだと言って、掃除をしないサックス奏者が存在します。内側も外側もです。その根拠は、「ヴィンテージサックスを購入した後、管体内の埃とサビを取り除いたら、まったく音が変わってしまった。」という都市伝説(?)だそうです。これは事実だとは思いますが、汚いサックスの良し悪しも考えるべきでしょう。数々の「???」なこだわりを紹介しましたが、試してみる価値はあると思います。というか、そこまで「サウンドについて常に研究する姿勢」は重要だと思います。
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