楽器を演奏している方は、サックスに限らず色々な部分に神経を使っています。演奏だけではなく、ちょっとした油断で大事な楽器を傷付けてしまったり、不調にしてしまう場合があるからです。サックス奏者が高い頻度で遭遇する、サックスの「やっちまった」の例をあげますので、自分はならないよう気を付けてください。
サックス奏者で一番多い「やちまった」は、いわゆる「パッカン&ごろごろ」です。リペアマンの方々も口を揃えて、「かなり多い」とおっしゃいますし、知り合いのサックス奏者のほとんどが「パッカン&ごろごろ」の経験者です。さて、「パッカン&ごろごろ」とは…。サックスのケースのジッパーや留め金を閉め忘れてサックスケースを持ち上げてしまい、持ち上げると同時にケースの蓋が「パッカン」と開き、そこからサックスがケースの外に「ごろごろ」と転がり出てしまい、サックスが傷ついてしまうケースです。これを外のアスファルトの道でやった場合は、最後に「ぐしゃ」なんて擬音も付いてしまいます。ケースにベルトを掛けて、蓋を2重にロックするとか、取っ手を持つときには、必ず指で蓋を押さえる癖をつける、なんてことでこの不幸に備えている楽器奏者が多いようです。
演奏中に多いサックスの「やっちまった」はリードの破損です。いくら気を付けていても、マウスピースの先端を服に引っかけたり、どこかに触ったりしてしまう場合があります。そしてリードが割れて演奏できなくなってしまいます。サックスを吹いていないときは必ずキャップをすることを忘れないでください。またステージにスペアのリードを持って上がるのも大事だと思います。このケースで、ぶつける角度や力加減が悪いと、最悪の「マウスピース破損」や「ネックの変形」につながります。ネックの先端には細心の注意を払ってください。同じ「先端系」では、サックスを吹こうとして、マウスピースの先を唇や鼻にぶつけて怪我をしてしまう、なんて「やっちまった」も見たことがあります。
「ずるっ&パタン」も私が経験した「やっちまった」の例です。サックスをスタンドに立てているとき、しっかりとスタンドにサックスがセットされておらず、「ずるっ」とスタンドから外れ、「パタン」とサックスが床に倒れる、という身の毛もよだつ(?)アクシデントです。主管が曲がったり、キーが破損する場合が多く、何本ものポストが飛び出ているサックスの左側から倒れると、ポストの頭が叩かれて、ポストの根元の管体の凹みになってしまう場合もあります。こうなったら修理は「大手術」となりますのでご注意ください。
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