サックス 演奏

移調楽器って何?

*テナーサックスは、「ド」の音を吹くと、「シ♭」の音が出ます。アルトサックスは「ミ♭」の音が出ます。これを移調楽器と言い、テナーとソプラノはB♭管、バリトンとアルトはE♭管と呼ばれます。この話を管楽器の経験のない方と話し始めると、「なんでそんな面倒な楽器を作るんだ?わけ分からん!」と混乱されるのがほとんどのようです。トロンボーンに至ってはB♭管で楽譜C読みなんて、頭が混乱する設定です。なんでこんな面倒臭い「移調楽器」なんてものが出来たのでしょう。
 簡単に言ってしまえば、楽器が出来た当時の楽曲が、E♭やB♭のキーが多かった、ということです。そもそも、かつては「曲に合わせて楽器が作られていた」そうですから。変ホ長調や変口長調の曲を吹き易い楽器が設計された訳です。クラッシックやジャズにはフラットがいくつか付いたキーの曲が多いですね。そういった曲は移調楽器には得意な訳です。移調楽器にはF管もあります。「ド」を吹くと「フア」がでます。

 が、しかあ〜し!最近のポップス&ロック系の曲は、サックス等の移調楽器にとって、「禁断の♯系」の曲が多いのです。テナーサックスでは移調譜面上、♭が二個消えます。アルトサックスは三個♭が消えます。この「♭が消える」は「#が増える」と同意です。ですので、コンサートキーがCなら、テナーサックス譜には#が二つ、アルトサックス譜では#が三つ付きます。そしてもっと最悪な事に、ギターやペース等の弦楽器奏者は、「開放弦の伸びやかな響き」を重要視するため、E、A、D、Gなんてキーが大好きです。伝説のペーシスト、ジャコ・パストリアスや天才ギタリスト、パット・メセニーらの作曲した名曲達は、もう「#祭り」です。結構多いコンサートキーAメジャーの曲は、そのままで♯が三つ付いています。テナー譜では♯が五個、アルトで六個です。私の友人のサックス奏者は、「♯が四つ以上付いた曲は、医者から止められているので吹けません。」、と真顔の冗談を多用しています。それだけ♯が付くと、アドリブソロのときの指の混乱は凄いものになります。ま、普段から12キー(工二-・キー)での練習を怠っていなければ全然平気なのですが、やはり譜面上の♯も♭も、数が少なければ精神的にも安心です。
 しかし、頭を冷静にして考えれば、あなたのテナーサックスがC管だとしても、色々な曲の演奏で♭祭りも♯祭りも無くなる訳ではありません。かつて製造されていたCメロディサックスは、ステージ上のボーカル譜でいきなり演奏できるように考えられた「飛び道具」です。移調楽器でなくても、♯や♭の「責め」から逃れられるわけではありません。楽器を吹いている以上、移調楽器だろうがそうでなかろうが、練習、練習、また練習です。
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