皆さんは、サックスを始めた時、どのようにして始められましたか?
サックス購入を考えてらっしゃる皆さんから多く訊かれる質問が、「サックスは独学できますか?」という質問です。
私は、「どなたか先生に付くなり、教室でレッスンを受けるのが、上達の早道だと思います。」、と答えていますが、実は私のサックスは独学です(汗)。ですので、私は決して独学を否定はしていません。
色々な事情や信念で「サックス独学」を目指している方々に、私なりの具体的方法をいくつかお話しします。
サックスを独学する場合で重要なのは、「王道」の情報を駆使することです。「サックス初心者」、「サックス上達法」、「サックスの吹き方」、とかでネット検索すれば、王道の情報はすぐに集まります。背筋を伸ばして、リラックスして楽器を構える、マウスピースはCか7*、リードは2-1/2、上の前歯をマウスピースに軽く当てて、下唇を巻き込んで、お腹から暖かい息を出す感じで吹く。こんな情報で、すぐに音階を吹けるくらいにはなれるはずです。
サックスを楽器として音を出せるようになってからが、独学の大変なところであり、楽しいところでもあります。私は「物まね」を勧めます。好きなサックス奏者、好きな楽曲、好きな演奏を真似るのです。映像や音源をしつこく聞いて、その「音」や「表現」を真似る努力を積み重ねるのです。特にジャズの場合は、サウンドやアドリブのフレーズにもプレーヤーならではの特徴がありますので、「これ!」と決めたアイドル・プレーヤーを徹底的に真似ましょう。アドリブフレーズの上達も、この真似によってずいぶんと力が蓄えられるはずです。多分この「物まね」は、何年もかかる根気のいる練習方法です。
決して陥って欲しくないのは、「このくらいでいいや」、という諦めです。「ここから先は自分の個性で進歩していく」、という前向きな方向転換は応援しますが、「こんな速いフレーズは無理」、とか「こんな深いサウンドは出せない」、というような、挑戦を諦めてしまうのはもったいないです。是非、自分で納得できる「物まね」をやり通してください。
最後にお勧めする独学の具体的方法は、「面白がる」です。楽器は、サックスは、音楽は、楽しむための道具です。サックスを演奏する事、関わること、練習する事、すべてのことを楽しんでください。なかなかうまくいかない練習も、気持ち次第で楽しむことが出来るはずです。楽器屋さんで新機種を試奏して、楽器屋の店員さんから色々な情報を教えてもらい、多くの音楽家の演奏を楽しみ、そこから自分の音楽へのヒントをもらい、面白そうなアクセサリーを衝動買いしてしまったり、リペアマンに自分の楽器への不満を聞いてもらったり、音楽仲間と楽器や音楽について語り合ったり、と、色々なことを楽しんでください。楽しめば楽しむほど、サックスは上達します。保証します。
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