ブラスバンドやビッグバンドでサックスを演奏している方々には、楽譜・譜面は必要不可欠な存在です。ジャズのコンボでも、複数の管楽器や中規模編成でアンサンブルをする場合には、譜面で「お約束の部分」をしっかり決めておく場合も少なくありません。そして「自分の譜面」には、自分なりの「メモ」をするのが常識です。かつてそのメモ書きのポイントについてお話ししたことがありますが、今日は再び「譜面への追記」についてお話しすることにしましょう。
最近市場で販売されている楽譜のほとんどは、コンピュータの記譜ソフトで清書された楽譜です。
昔の様に、写譜ペンを使って手書きで作った譜面は少なくなりました。
しかし町の商店主が片手間にPCで作ったチラシと、ちゃんとデザイナーがレイアウトした広告とは見易さが格段に違うように、同じコンピュータ記譜の譜面でも、トホホなものはすくなくありません。
一番多い???な譜面は、段組みが4小節や8小節の、音楽の基本的な単位になっていない譜面です。一段に7や10や14小節が詰め込まれた楽譜。しかも原曲はブルース。
そんな場合は4小節や12小節毎に縦線を追加しておきましょう。そうしておけば、曲の中で迷子になる確率が格段と減るはずです。
またコーダ・マークやセーニョ・マーク等の、曲中での「ジャンプ」の記号が小さくて認識しにくい譜面も良くあります。
こんな場合は、自分で大きなマークを追記するなり、マークを赤ペンの丸で囲むなりの「目立つ工夫」をしてください。
何度も間違えるようなら、ダルセーニョとセーニョ・マーク、トゥーコーダ・マークとコーダ・マークを薄い矢印線で結んでしまうのも良いかもしれません。
そうそう、線で思い出したのですが、「長い言葉のメモ」は実際の演奏中では効果を発しない場合が少なくありません。
「急に音を小さくする!」なんてメモは、「急PPP」なんて方がかえって体が動いてくれます。自分用の省略ルールがあると便利ですね。
楽譜へのメモは演奏の音楽に関するだけではありません。
譜面を次のページにめくるタイミングは長休符の部分で済ますよう、作戦を立てて譜面に「ここで譜面めくり」等メモしましょう。
長休符が無く、譜面をめくる暇が取れない場合は、同じページを2枚コピーして、「めくっても同じページ」で対処するのが良い場合もあります。
またソロでセンターマイクへ移動する必要があるときは、十分な移動時間を取って、「ここで移動開始」と書いておくのも重要です。
休符の小節のカウントが分からなくなってしまったときの容易に、「ここからトロンボーン」とかほかの楽器のフレーズを楽譜に追記しておくのも有効です。
前にも言ったと思いますが、バンドのオリジナル譜面に自分用の書き込みは「厳禁」です。自分用にコピーしたうえで、自分のためのメモを記入しましょう。
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