サックス吹きの皆さん。特にアンサンブルやバンドの形式で合奏をしているサックスプレーヤーの方々は、外気と室内の温度差の激しい真夏や真冬は、チューニングが狂いがちで苦労しますよね。楽器の温度が上がるとピッチは高めに、また温度が低いとピッチは低めになります。外から室内に入ったばかりでチューニングすると、楽器が室温になるころには楽器のピッチが変わってしまいます。また演奏で息を入れて、楽器の温度が体温に近くなると、またピッチが変化します。大変です。ま、最近はチューニングは電子式のチューニングメーターをを使うので、苦労は少ないと思います。しかし、そういう外的な条件を除いても、「チューナーを使っても音程が悪いんだよね!」って悩んでる方が少なくありません。音程やピッチ、イントネーションの改善方法についてお話ししましょう。
一般に言う、「音程が悪い」というのは、二つの状態があります。
一つ目は楽器全体のチューニングが狂っているため、ちゃんとした音の高さが出ない場合です。
二つ目は、特定の音で音の高さの高低が狂っている場合です。これは音程が悪いとは言わず、イントネーションが悪い、と言うのが正しい言い方です。一つ目の楽器全体のピッチの調整は、マウスピースの抜き差しでおこないます。このとき、「ある程度のウォーミングアップで楽器を温め、演奏状態に近い状態でチューニングする」、や「会場の温度を予測し、それに応じて配慮したチューニングをしておく(真夏の炎天下の野外ステージなどは、出る前にやや「抜き気味」にしておきます。)」など等の準備と、「その日の演奏で、一番シビアな音程が求められる音でチューニングしておく」とか、「目をつぶって音を吹き始め、出た音をチューナーで確認し、正しくチューニングする」などの工夫が一般的です。
また、楽器の音程の癖を知っておき、「チューニングトーン」として最適な音を決めておくのも良いでしょう。 意外にハードルが高いのが、特定の音で音の高さの高低が狂う場合です。アンサンブルの和音が、「ひどい雑音」になってしまう原因の主役です。サックスの場合、マウスピースを咥える口の力が緩めば音が低くなります。逆に締めれば音は高くなります。ですので、正確な音程を作るには練習を重ねる以外有りません。そしてそのうえで、自分の「耳」を研ぎ澄まして、正しい音かそうでないかを判断し、瞬時に口の調整をするのです。人間の能力は恐ろしいモノで、耳で聞いて口で音を修正するのを、本当に瞬時に、全く聴衆に気付かれずにおこなうことが出来ます。さ、練習しましょ!
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