先日、アマチュアビッグバンドのリハーサルの際、カウント・ベイシーオーケストラの「The Heat’s On」という曲の練習のはじめに、2ndテナーサックスの方が4thテナーサックスのひとに、「ヒーツ・オンのソロは医者から止められているので、よろしくお願いします。」とソロの担当を譲っているのを聞いて、バンド全体が爆笑の渦になりました。
それほどこの曲はテンポが速く、ビッグバンド・テナー吹きの間で恐れられているソロパートです。もちろんバンド全体のアンサンブルも難しく、ノリを合わせるのがとても難しい難曲です。そう、「馬鹿っ速い曲」ってえのはいつもプレーヤーの悩みの種です。かなり「初見(初めての曲を譜面を読むだけで演奏する)」が得意なプレーヤーでも、テンポの速い曲はやはり鬼門です。
テンポの速い曲、アップテンポな曲は決して少なくありません。今日はアップテンポな曲を克服するために多くのプレーヤーがおこなっている、常識的な「戦略」をご紹介しましょう。戦略とは言っても、正攻法なものから反則すれすれの裏技まで有りますが…。
アップテンポ攻略のための最初の正攻法な戦略は、「倍で数える」です。テンポは大きく数えることでタイミングに余裕と正確さが出てきます。「イチ、ニ、サン、シ」を「イィーチ、ニーィ」で数えると、精神的にも余裕が出てきて、走ったりもたったり(だんだんテンポが速くなったり遅くなったりすること)することも回避できます。
ただし、音符の長さも倍に考える必要がありますよ。
八分音符は十六分音符、四分音符は八分音符で数える必要があるので気をつけてください。器用なかたは、「体のノリ」としては倍で感じて、足踏みのテンポキープを倍(ゆっくり)で取り、頭の中ではそのままのテンポで考える、という理不尽な技を使うプレーヤーもいるようです。ま、結果オーライですから、どんな方法でもテンポをキープして演奏できれば「勝ち」ですね。
もう一個のほうは「反則すれすれの裏技」です。しかし一流のプロでさえ使う技なので、一概に否定できないと思います。ましてそれでちゃんと音楽になってれば良いわけです。ジャジャーン!紹介しましょう!その技は…「吹かない!」です。
ジャズの場合は、明らかに「飲む音(サイレントノート)」があります。そのコントロールによってジャズのフレーズがより「ジャズらしく」なるわけです。そしてアップテンポな曲のフレーズの中には、「重要な音」と「サイレントノート、もしくは聞こえなくてもそんなに分からない音」があります。譜面表記では「タ、タ、タ、タ。タタッタ」と書いてあっても、実は「タウータ。タフゥタ」と吹いても音楽的にまったく問題ない場合が多々有ります。
アンサンブルなどでは逆のアプローチで、「セクションでここだけはビッチリ合わせる部分」という場所を多数打ち合わせておくことで、全体のクォリティはぐっと向上します。不要な音を間違うことで目立ってしまうと、それだけでアンサンブルがガタガタになってしまうこともあります。「吹けなければ、吹かない」も戦略ですが、ちゃんと策を練ってくださいね。
サウンドと操作性を両立させるという、ミュージシャンの夢を実現!
AIZEN サックスはこちら
初心者でも、いや初心者こそ使ってみてはいかがでしょうか。毎日楽しく吹けること間違いないですよ。
(AIZEN NY アルトサックスマウスピースご購入 黒川忠宏様 のお声)
先着50名様限定 サックスお手入れ用品4点セットがもらえるキャンペーン開催中!
AIZENマウスピースはこちら
夢のヴィンテージ。アメセル スーパーバランスアクション5万4千番台 オリジナルラッカーはこちら
- ホーム
- サックス 練習・レッスン
- 馬鹿っ速い曲の攻略法