リムスキー・コルサコフ作曲の、「くまんばちの飛行」って曲をご存知でしょうか?
トランペットのエリックミヤシロやトロンボーンの中川英二郎等が、超絶タンギング技巧をデモするように時々演奏してますよね。くまんばちの羽音を超馬鹿っ速いタンギングで再現する「あの曲」です。で、サックスといえば、…。ほとんど誰もやっていません。実はこういう曲はサックスは苦手なんです。
金管楽器奏者の場合、ダブルタンギング、トリプルタンギングは中級クラスの当たり前の技術となっています。しかしリードを使うサックスではダブルタンギング、トリプルタンギングの難易度が俄然変わります。一回の息で二回タンギングする「ダブルタンギング」はサックスの場合、「トゥク、トゥク」と舌の先と中間の二箇所を使います。
金管の場合とほぼ同じですが、舌の上にすぐリードがいるのがやっかいです。サックスでのトリプルタンギングは…。多分無理でしょう。単に恐ろしく速いシングルタンギングになるだけだと思います。このようにリード楽器のタンギングには制限があり、速いフレーズを舌でコントロールすることには限界があります。というわけで、サックスは速いフレーズが苦手なのです。…なんてことは実はありません。
管楽器は音を区切るためには舌を使ったタンギングだけでなく、腹筋による息のコントロール、また運指による音の変更等、色々な「音を切る技術」があります。例えば、息を連続で出しっぱなしにして、「ソ、ファ、ミ、レ」と運指を変えれば、よっつの音はちゃんと区切れながら出て行きます。
舌でタンギング(足で蹴り飛ばすみたいな表現ですね。)せずに、息だけで音を区切る「エアータンギング」という技術もあります。先日、もの凄いテクで超絶速度の速いアドリブフレーズを吹いているプロのミュージシャンに演奏後、「どこで舌をついてるんですか?」と質問したら、「うーん、フレーズの頭だけかな。」という答えが返ってきました。
それ以外は指や息のコントロールでフレーズを作っているとのことでした。しかし、これは絶対ウソです。如何に速いフレーズでも、必要な音、例えば裏の拍を強調したいところ等ではちゃんと舌を使ってタンギングしていたのが聞いていて分かりました。
ジャズのプレーヤーは「アドリブ」という即興作曲演奏をする都合上、「自分のフレーズ」というものを持っており、それをいくつも「貯金」として引き出しに仕舞ってあります。そのフレーズは旋律のみでなくその吹き方や指使いなども「癖」として記憶されています。そのフレーズのどこで舌を使うかも、繰り返しの練習の中で確立され、それを体が記憶していくのです。
タンギングの技術で話を始めましたが、舌のコントロールは単にひとつの手段です。吹いたフレーズの聞こえ方、表現力に応じて手段は使い分ける必要がありますし、必要であれば練習を積み重ねなくてはならないでしょう。実は私、ダブルタンギングはできません。(汗
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超が付く位の初心者なのに、こんな遠鳴りのする音が出せるんだと唯々吃驚でした。
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