年配のサックス奏者の方々は、「ムードテナー」という言葉をご存知かと思います。
テナーサックスの名プレーヤー、サム・テイラーや故・松本英彦さん、故・宮沢昭さん達が、演歌のメロディやポップスの名曲を、雰囲気たっぷりに朗々と歌いあげたインストの演奏です。むせび泣くテナー、唸る、吠える、囁く、あらゆる表現を歌の代わりにテナーサックスで演奏したものです。
テナーサックスの音域と音質が、人間の歌声に「ばっちり」合うので、テナーサックスが多用されました。「ムードテナー」という呼び方こそ死語に近くなってしまいましたが、歌の代わりに楽器で演奏するスタイルは、決して古臭いモノばかりではありません。お店などのBGMは、歌が入ると生々しくなってしまうので、インストの曲が多く流されています。
しかし、かつての「ムードテナー」ほど、「臭く」演奏することは少ないようです。しかし、この「臭さ」がサックスの表現力の原点だと私は勝手に思っています。
「歌の上手い人」の最大の武器は「表現力」です。もちろん声質や音程の正確さは最重点項目ですが、細かいビブラートや間の外し方、音程の揺らぎ、強弱のダイナミクス、擬音、こぶし、等々、表現の幅を拡大させる、また感動を作り上げる技術は数えきれないほどあります。そしてそれらを使いこなしているのが、プロをはじめとする「歌の上手い人」達です。
好きな曲を一曲選んでください。
演歌じゃなくても良いですが演歌がお奨めです。多くの演歌歌手は極端に感情を入れて、その歌い上げてますので。そしてそれを思いっきり、感情をこめてサックスで演奏してください。
もちろん「棒吹き」で吹いたら、ただの雑音です。歌手の表現を出来る限り真似して、「歌って」みてください。何度も何度も練習して、演奏に色気が出てきたら、かなり高度なサックス演奏テクニックが会得出来ているはずです。
もちろん演歌とジャズ、ロックとはリズムもテンポも、またビートも異なります。
しかし演歌の曲をそれなりに歌い上げることができるようになれば、例えばカウント・ベイシー・オーケストラの伝説のリードアルト奏者、マーシャル・ロイヤルが、どうやってあのように「歌って」いるかが理解できるようになると思います。
賛否両論とは思いますが、「演歌は日本の心」らしいです。一曲演歌を練習してみませんか?
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