足のふくらはぎの反対側、足の部分では最も「肉の薄い部分」である「ムコウズネ」。ここは、「弁慶の泣き所」とも言われる、人間の共通した急所です。こんなところを不用意に柱にでもぶつけたら、息も出来ずに悶絶すること数分は間違いなしです。さてサックスの弁慶の泣き所、向こうずねはどこなのでしょう。サックスのどの部分も、「衝突事故」は避けるべきなのは当然ですが、特に注意を払うべき、「サックスの急所」についてお話ししましょう。
「急所」には物理的に弱い、という部分もありますが、「ありがちな事故で傷つく部分」という急所もあります。それが、管体の右側、ネックに近い部分に立っている、ロングシャフト用のシャフトポストです。
サックスの転倒事故は、ほとんどの場合、右側に倒れます。横に「コテン!」でも縦に「バタン!」でも、多くの場合は左側に倒れ、この急所の頭に大きな衝撃がかかります。管体から直角に生えているシャフトポストの頭をたたいたら、板に釘を金づちで打ち込んでいるのと同じです。ポストの土台部分に大きな力がかかり、管体がそこだけ凹んでしまいます。ネックに近い部分なので、ここの凹みはサウンドへの影響力が大きいのはもちろんです。所有者が知らないうちにダメージを受けている場合も少なくありません。管体の上から指を入れ、このポストの付け根の部分を触ってみてください。管体の裏に向かって「膨らんで」いたら、どこかでこのポストに衝撃を受け、管体が凹んでいるということです。直すかどうかはリペアマンに相談してください。
テナーサックス特有の急所もあります。分かりますよね。
そう、ネックです。
長くて細いテナーサックスのネックは、わずかな力でも簡単に曲がってしまいます。一旦曲がってしまうと、事通りに戻すにはかなりの技術を必要とします。ネックの各部を指で触り、どこかで管が楕円になっている感じがしたら、ネックは曲がっています。曲がったネックはサウンドにも、また音程の正確さにも悪影響を与えます。
サックスの部品で一番「弱い」部分はベル(朝顔)の縁です。きれいに開いたベルのカーブは、外からの衝撃で簡単に変形してしまいます。まして、構えた時に前に出る部分ですので、事故に会う確率も少なくありません。
あなたのサックスの「ふわっと広がったベル」が、「ベロンと曲がったベル」になっていないか確認してみてください。ま、しかし、この辺の変形は、サックスの機能にはほとんど無関係です。
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