「ヴィンテージ・マウスピース」。
うう、美しくも高級で、素晴らしいマウスピースらしいのは知っているのだが、価格も素晴らしい。最近では一本10万超えも珍しくない。こんなもん買ったら楽器の値段より高くない?
50年前のプラスチックの筒に10万円かぁ?そのへん置いといたらオフクロは絶対、燃えないゴミの日に捨てちゃうぞ。…なんてのが憧れの的、「ヴィンテージ・マウスピース」ですね。
何故、今、各種「ヴィンテージ・マウスピース」が高値で取引されているのか?
それは高値を出してでも欲しい人がいるから。需要と供給の経済原理ですね。では、なぜ「37インチ薄型ハイビジョン液晶テレビ」が変えるような金額を出してまで、その「ヴィンテージ・マウスピース」が欲しいのか?何故そこまで求められるのか?古くて希少価値があるから?あーた、骨董の壷じゃないんですから。
ま、骨董の壷には「美しさ」という機能もありますけど…。そう、機能の価値なんです。10数万のハイビジョン液晶テレビ、じゃなかった、「ヴィンテージ・マウスピース」は現代の数万円台のマウスピースでは持っていない、魅力的な特別な「機能」があり、その機能の価値によって引く手数多となりあの値段で流通するようになっているんです。
音楽という一発勝負の世界に生きるミュージシャンが、自分の個性と存在感をゆだねる武器である「楽器」を、骨董価値だけで選ぶ訳がありませんよね。
「ヴィンテージ・マウスピース」と現代マウスピースとの最大の差異は「材質」です。
工業規格が発達した現代では使用できない、再現できない材質が「ヴィンテージ・マウスピース」では数多く使われており、それが独特のサウンドを生み出すひとつの要因となっています。ハードラバーマウスピースの硫黄成分や、メタルマウスピースの鉛成分などが有名です。
ヴィンテージのデュコフメタルは今の工業規格では許可にならない量の鉛分が入っているそうです。もちろんそれを舐めたからって即健康に害があるわけではありません、科学的な研究による安全基準てやつです。
また初期の生産技術に起因する「独特の材料ムラ」も「ヴィンテージ・マウスピース」の特徴あるサウンドに寄与しているようです。200年継ぎ足している老舗秘伝のうなぎのタレとスーパーの瓶詰めのうなぎのタレの違いですかね。
もうひとつの「ヴィンテージ・マウスピース」の特徴は、極端な少量、目的別生産。つまり手造りによる仕上げ品質の良さと、目的に完全にフィットした設計と調整です。そしてそれらのなかの良いものだけが、今もなお生き残っているのです。
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