1840年代にベルギーの管楽器製作者、アドルフ・サックス(Antoine-Joseph “Adolphe” Sax)によって発明されたのがサックスです。しかし天才アドルフは、サックスばかりでなく、その円錐状の管が大きな音を出せることに目を付け、多くの金管楽器も設計し製造しました。それらの金管楽器は「サクソルン族」と呼ばれ、サックスと同様に音域別の楽器バリエーションと、音質の統一が図られています。ま、サックスの親戚です。
有名なサクソルンは「コルネット」と「フリューゲルホルン」です。バルブの着いた仲間のトランペットがストレート管で出来ているのに対し、コルネットとフリューゲルホルンは円錐のパイプで出来ています。それゆえに「甘く柔らかい音質」が実現されています。ここで気が付いていただけましたでしょうか?そうです、「円錐管ででかい音」というサキソフォンで成功したアドルフの目論見は、金管楽器では失敗だったのです。うーん、残念!
サクソルン族楽器は軍楽隊で主に活躍しました。イギリス、フランス、ドイツの軍楽隊では、ある時代、サクソルン族で楽器を揃えていた時代もあるそうです。著名なサクソルン属には、コルネット、フリューゲルホルンのほか、アルトホルン、テナーホルン、バリトンホルン、ユーフォニアム、チューバ等があります。サクソルンの特徴は、B♭とE♭の2種類に集約された調と、大きさの異なる、異なる音域のそれぞれの楽器の間での統一感のある音色です。アドルフが接消した楽器ばかりでなく、サクソルン族の多くの楽器はより良い音質と操作性を追求し、改良の重ねられでいます。しかしアドルフ・サックスの意図でもある、音質の連続性・類似性という特徴は完全には失われること無く、とくにイギリス・スタイルの金管バンドにおいてオルガンの様な重厚な音を生み出しています。
そうです。サックスの重要な特徴は統一感、音質の連続性なんですね。ジャズやロックのサックスにばかり気を取られていると、その本来の特徴を忘れがちです。クラッシックのサックス四重奏、五重奏では、楽器の音域の繋ぎ目が分からなくなるほど統一された音質で、メンバーの皆さんが吹いてます。個性の主張も良いですが、個性の融合もサックスの得意技です。サックスって本当に奥が深いですね。
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