今やサックスは、決して珍しい楽器ではありません。女性サックス奏者も激増しているサックス界ですので、「サックスのオシャレ」も大事な話題です。サックスの歴史の昔から伝わる「硬派なオシャレ」から、現代の「カワユイ系オシャレ」について考えましょう。
サックスの管体の彫刻は音質には何の影響も与えない「オシャレ」です。アメリカやヨーロッパでは、カスタムの彫刻をしてくれる「エングレイバー」という職人さんが沢山います。彫刻なしのサックスを買って、これらの職人さんに自分だけのオリジナル彫刻を頼むなんて、贅沢なオシャレですね。管体へのメッキや塗装の方法はサウンドに大きく影響しますが、キーカップやシャフト、キーボタン等の色や形はサウンドへの影響は大きくありません。シルバープレートの管体に、ゴールドラッカーのキーメカニズム、なんていうのは完全に「オシャレ」です。ブラックの管体にシルバーのキーメカニズムなんて、いかにも精悍なルックスですよね。また指先を置く部分のキーボタンの「指貝(キーパール)」もオシャレの対象ですね。一般的な白蝶貝の白から、ブラックパールの部品に替えて「黒いボタン」にしたり、樹脂部材でマーブルにしているサックスも見たことがあります。「背広のオシャレは裏地から」の格言をなぞったような、「インナーゴールドベル」なんていうのもあります。サックス全体のフィニッシュ(表面仕上げ。メッキや塗装のこと。)とは別に、ベルの内部だけ金メッキにするのが「インナーゴールドベル」です。同じように外側とやや違う色の塗料でベル内部を塗装するのも渋いですね。これらは100年以上の歴史を持つ、「硬派系オシャレ」です。
近年の女性サックス奏者たちが開発した、「カワユイ系オシャレ」はかなり斬新です。オクターブキーのアーム(ネックにくっついてる長い部品)やキーガード(ベルとU字管に着いている、キーをガードしている部分)等に、ラインストーンなどの「きらきらアクセサリー」を貼り付けて、自分のサックスを「デコ・サックス」にしている方々が少なくありません。リペアマンに叱られない程度の「デコり」は楽しいのではないかと思います。サックス自身ではありませんが、アメリカのメーカーが、光るサックススタンドを製造しています。暗いステージでライトアップされたサックスがもの凄くカッコ良いです。しかしこれが開発された本当の理由は、「真っ暗なステージでサックスを蹴り飛ばさないように」、だそうです。
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