多くのサックス奏者はマウスピースを数種類持っていると思います。今は持っていないとしても、何種類かを経験して来ていると思います。新しいマウスピースを購入するときは、自分のサックスを楽器店に持ち込んで、ネックのコルクをそのマウスピースのシャンク(差し込み部分)の径に合わせて調整してもらいます。マウスピースを通販やネットオークションで手に入れた場合は、自分でネックコルクを削ったり、もしくは近所の楽器店やリペアマンに頼んでネックコルクを巻き直してもらうことが必要です。さて、何故このような、「ネックコルクの調整」が必要なのでしょうか?はい、マウスピースのシャンクはメーカーやモデルによってさまざまに形状が異なっているのです。
マウスピースのモデルやメーカーの違いで、サックスのネックとの結合部、シャンクの直径も違えば、内部の円錐(マウスピースのシャンク内部は奥へ行くほど直径が小さくなっています)の角度も違います。共通の規格が無い訳ではないのですが、厳正な業界規格になっている訳でもありません。同じマウスピースメーカーでも、ハードラバーのマウスピースとメタルのマウスピースのシャンク寸法が違う場合も少なくありません。サックスってなんていい加減なのでしょう(汗)。ま、ネックのコルクの伸び縮みがこの誤差を吸収してくれるので、そんなに厳密にする必要が無いということでしょうか。もしくはサックスもマウスピースも、あまりに手作りの要素が強いので、その辺の寸法を厳密に管理することが難しいのかもしれません。
「大体OK」で済んでいるマウスピースとネックの相性ですが、シャレにならない「相性の不一致」も無い訳ではありません。特にネック先端に「ブースターリング」というパーツが付いているサックスの場合、このリングのせいでマウスピースが奥まで差し込めない場合があります。この解決方法は、リングをネックから外すか、マウスピースのシャンクの内径を拡大するかしかありません。マウスピースがハードラバーか、メタルでも比較的柔らかい金属であれば、シャンク・リーマという特殊な工具を使って、接合部の内径を削って広げることが可能です。しかしステンレスのマウスピースの場合はマウスピース側を削って広げるのは至難の業です。ネック側のリングを外すか、場合によっては少しネックを切断して短くしなくてはならない場合もあります。マウスピースとネックとの相性。ご注意ください!
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