さて、皆さんのサックスケース、または練習バッグにはどんなものが入っていますか?クリーニングスワブ、リード、コルクグリス、3色ボールペン、細書き油性ペン、吸湿ペーパー等、いろんな小物がサックス吹きの「備品」」としては必要です。そんな備品のなかに「ドライバー」は入っていますか?こいつは意外と忘れがちなのですが、とっても有ると便利なんです。どんなドライバーがサックス吹き必携なのかをお話しましょう。
一本は入れて置きたいのが「時計ドライバー」という奴です。精密ドライバーとも呼ばれる、超小さく、細身の、お尻にくるくる回る指あてが付いたドライバーです。サックスの場合は2mm幅くらいの「マイナス」の精密ドライバーが重宝します。使い場所は色々ありますが、一番使うのはネックのオクターブキーの支点の部分のネジです。オクターブキーが「パタパタ」するための部分のこのネジは、サックスを吹いていると徐々に緩んでくる場合があります。他にもこのドライバーが活躍するネジがサックスには沢山あります。またこのドライバーはサックスのキーのバネの引っ掛けを外すこともできます。ちょっとキーが重い、軽い、パッドの締まる力が弱い、などという場合に、このドライバーで針バネを外し、ちょっと調整してから戻す、というような作業も可能です。バネの調整を自分でまめにおこなうサックスプレーヤーには、この精密ドライバーをヤスリで加工して、バネ掛け工具にしてしまっているひとも少なくありません。ドライバーの先端に溝を切って「バネ押し用」、軸にカギ型のくぼみを作って「バネ掛け用」にすれば立派な工具に変身です。
もひとつ持っていたいのが先端が7mm幅程度のマイナスドライバーです。この大きさは大振りのドライバーの範疇ですが、サックスのネジには、そんなに力を入れて締めるものは無いので、ドライバーセットになっているような持ち手の小さい、コンパクトなもので構いません。これの使いどころは、なんといってもサムレストの調整です。指に対するサムレストの、微妙な角度を調整するのに必須です。指が痛いのに我慢して、サムレストの角度をそのまま使っていませんか?このドライバーでちょっとネジを緩め、良い按配の角度に変えて、ネジを締めて固定します。吹き方によってサムレストの角度は微妙に変更したほうが、抜群に操作し易くなります。またこの大きさのドライバーは、低音部のパッドの開き具合を決めているネジにも使用できます。知識の無い方がむやみにここをいじることは勧めませんが、自分のサックスは出来る限りは自分で面倒みたいですよね。
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