サックスの音を生成する部分、「リード」は、湿った状態ではじめて正常な振動をします。カラカラに乾いた状態ではなかなか鳴ってくれません。もちろんマウスピースにリードをセットし、サックスを吹き始めれば、唾液や息の水分によってどんどん湿っていき、最終的にはそのリード本来の能力を発揮するようになりますが、それにはそれなりの時間を要します。これがいわゆる「ウォーミングアップ」です。それゆえサックス奏者の方々は、それぞれ独自のリードの水分管理をおこない、少しでもウォーミングアップの時間を減らし、かつリードのコンディションを維持することに注力しています。
最近ではリードを乾燥させないよう、湿度管理が可能なりードケースも各種販売されています。また、小ぶりのビンに水を入れ、その中でリードを保管するサックスプレーヤーも数多くいるようです。サックスを吹き終わった状態で、マウスピースにリードを付けたままビニール袋に入れて保存する、というやり方もあるようです。しかし多くのサックスプレーヤーは、一般的な「ドライタイプ」のリードケースにリードを保管し、吹く前にその都度リードを湿らせるという方法です。乾いているリードで吹き始めようとするとき、少しでも早くリードが適切な湿り気になれば、それだけ早くに演奏そのもののウォームアップに移れます。その為のいくつかの方法をあげてみます。
サックスの演奏の準備を始めた時点ですぐ、リードを口に咥え、唾液でリードを湿らせるのが一般的です。だいたい演奏準備中のサックスプレーヤーは、このお陰でおしゃべりに加わることが出来ません(笑)。紙コップ等に水を入れ、その中に使うリードを漬けておくのも良いでしょう。この場合はリードの後ろの端が水に触れる程度で構いません。リードの繊維が毛管現象で水分を全体に行き渡らせてくれます。コップが無い場合は、ペットボトルのキャップを水皿代わりにすることも可能です。この場合は、倒れないようリードが寄り掛かる支えが必要な場合もあります。最後に最速の必殺技です。水を口に含み、リードのお尻を口に咥え、おもいっきり口で圧力をかけます。こうすると、リードの後端から繊維に水分が強制的に注入され、リードの前方のカット部分からじわじわと水滴が出てきます。はい、これで十分に湿った状態になってしまいます。ダメ押しで、ちょいとリードの先端を口に含めば、充分な水分をリードが含んだ状態になります。是非お試しください。
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