10年以上も同じサックスを吹いていると、その楽器は自分の手の一部になり、ちょっとしたパッドの開きの変化や、キーの高さの変化にも敏感に気付くようになります。見事に「手に馴染んでいる」、という状態です。楽器奏者であれば皆、自分の楽器に対して早くこういう状態にしたいと考えていることと思います。しかしそれには年月も必要ですが、自分のサックスを自分の微妙な要求に合うように調整することも重要です。サックスを自分の手に、体に馴染ませるための「プチ改造術」についてお話しましょう。改造と言っても切ったり削ったりはご法度です。上級者かリペアマンにまかせましょう。ここで紹介するのは初心者でもできる、いや、「すべき」改造です。その初めの一歩は「サムフックの調整」です。
意外とそのサックスを買った時のまま、サムフックを調整せずにサックスを吹いている人が多いようです。サムフックのネジは普通のマイナスドライバーやちょっとした金具で簡単に緩めたり締めたりすることができます。自分の演奏する姿勢に合わせ、サムフックの角度を最適に調整しましょう。サムフックと親指の角度の関係は、親指に掛かるサックスの重量に大きく変化を与えますので、「親指が痛い」というような悩みは、このサムフックの調整で瞬時に解決する場合があります。またサムフックのネジが緩んでいる場合は、サムフックがグラグラ動いて吹き難く、また親指に負担をかけますので、しっかりと固定するようにしましょう。
また手の大きさによってパームキー(手のひらや指の腹で押さえるキー)の高さが合わない場合がよくあります。左手のひらで押さえる高域の「レ」、「ミ♭」、「ミ」や、右手の「ラ♯」、「ファ」のキー等がこれにあたります。これらのキーの高さを変える「パームキーライザー」という市販部品や、パテ等を使って高さを自分に合うように調整すると、自然な動きでキーを押さえる事が出来る様になり、抜群にサックスの操作性が向上します。サックスのキーは、奏者に合わせてかなり細かく調整できますので、何か「ちょっとした違和感」があったら、迷わずにリペアマンに相談しましょう。
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