サックスプレーヤーで、ヴィンテージサックスが高価な値段で取引されていることを知らないひとはほとんどいないと思います。特にジャズサックスの分野では、名器と呼ばれるヴィンテージサックスを愛するプレーヤーは少なくありません。しかし50年以上も昔に作られた、くず鉄のような見た目(笑)のサックス達のどこがそんなに良いのでしょうか?今日はヴィンテージサックスの魅力の原点に迫ってみましょう。
現在、新品で販売されている現行モデルのサックスとヴィンテージサックスの一番の違いは何でしょうか?それは作り方の違いです。製造技術が進んだ現代では、かなりの比率で機械や高度な近代加工技術が活躍しています。そして多くの数量を同じ品質で製造しています。しかしヴィンテージサックスの時代には、高い技術を持った職人が、ほとんど手作りで一本一本製造していました。多くの数量を同じ品質で作る事等は夢のまた夢、手作りの一本一本はそれぞれに個性を持ち、それを感と技術で「良いサックス」に仕上げていったのです。もちろん現代のサックスの製造工程にも、優秀な職人さんたちは不可欠ですが、昔の職人さん達の技術とは異なるものが求められています。ヴィンテージサックスは、工業製品というより「工芸品」と言えるでしょう。それゆえに、作り手の気持ちが見えてくるようなサウンドを持っています。そこがヴィンテージサックスの大きな魅力です。
多分に精神論的な懐古趣味の話しをしてしまいましたが、次はがっちり科学的なヴィンテージサックスの魅力をお話します。ヴィンテージサックスはそもそもの素材の金属が今のものとは違います。新品のときの金属材質の違いに加え、長い歴史を経たヴィンテージサックスは、その年数や使用のされ方で金属の質も変化しています。現代の材料金属は技術の進歩により、非常に均一な性質になっていますが、数十年前には材質にムラのある金属しか作れませんでした、そのムラがサックスのサウンドに微妙な「味」を作り出す助けをし、また長い間の経年変化でそれがより魅力的なものに変化しています。「昔のほうが良かった」、というものは生活の周りにも沢山あります。ヴィンテージサックスは昔の職人さんと金属、そして当時のミュージシャンの気持ちが作り出した名品です。あ、でも、古ければ何でも良い、という事ではありませんのでヴィンテージサックスを購入する場合にはご注意ください。
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