皆さんはセッションやバンド練習に、どんな楽譜を使っていますか?多分、100人のうち70人くらいが「青本」と答え、残り25人ほどは最近はやりの「黒本」ですかね。残りの5人は「自分でトランスクライブしましたぁ」でしょうか。「トランスクライブ」とは音楽用語で「採譜」のことです。自分で音を聞きながら、楽譜として記載していく、それが採譜、トランスクライブです。私はジャズサックス奏者の「修行」に、この「採譜」を勧めています。採譜の効用は如何に!
俗に「耳コピ」というものは、最終的に楽譜に起こさなくても、好きな曲をCDやその他の音源から聞いて、自分で演奏できるようにする事です。ま、技術的には採譜とほとんど替わりません。しかしひとつだけ「耳コピ」と「採譜」が大きく違うことがあります。それは「調(キー)」の決定です。サックス奏者が耳コピをするには、音を拾うだけで構いません、しかし「採譜」するためには、その曲のキー(調)を解析しなければなりません。譜面の五線の左に、何個シャープやフラットが付くか、を決めないと、「Cキーの臨時記号だらけ」の楽譜になってしまいます。そしてキーを決めるのはおおよそのコード進行を感じなければいけません。そんな訳で採譜は、かなりの「音楽的解析」を要するのです。しかしそんな苦労をすれば、その曲の自分の身にへの浸透度は少なくありません。大体のコード進行の形態、どこが転調か、尊敬するミュージシャンのアレンジまで記録する事もできます。そうやって「曲を解析」することは、曲を自分のものにするために、とても役立つのです。
で、「おいおい、そんな難しいこと出来るわけないだろ!」、といわれるはずなので、次は「ハウ・ツー・トランスクライブ(採譜のノウハウ)」の紹介です。結構簡単です。まず、その曲を聞きながらベースラインを文字で書きましょう。1小節に白丸一個でいいです。「ドー、ソー、ドー、ソー」とかやっていると、落ち着く音が見つかります。それが曲のキーのトニック音、「ド」の音です(だいたい)。でもって、それがミ♭なら、キーはE♭メジャーです(多分)。キーを決めたら、後は音を採っていくだけです。ついでにイントロやエンディングも採譜しちゃいましょう。やってみれば意外と簡単です。また、慣れればスピードも上がります。
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