サックスの「間違った常識」に、「マウスピースのティップは広いほど良い音が出るが、上級者でないとコントロール出来ない」ということがあります。これは完全な嘘ではありませんが、事実でもありません。マウスピースの先端の開き、ティップオープニングについてお話しましょう。
マウスピースにリードを装着し、マウスピースの先端とリードの先端の距離、つまり隙間の開き具合をティップオープニングと言います。各マウスピースメーカーはその製品に7、7★等の印をつけてその開き具合を表示しています。マウスピースのメーカーによって、このような「一桁の数字と★で表示」系と、「千分1インチ表示」系があります、オットーリンクやメイヤーなどは一桁数字と★、ベルグラーセンやBARI等は「115」等の千分の1インチ表示、セルマーやバンドレン等は独自の表記方法を持っています。このティップは狭すぎても広すぎてもコントロールに技術が必要です。ですので、初心者の方はだいたいオットーリンク7やメイヤー5、セルマーC等の「真ん中ティップ」を使うのが無難でしょう。ではどうして「凄く狭いティップ」や「凄く拾いティップ」のマウスピースがあるのでしょうか、その理由はこのようなものです。ティップが狭いマウスピースは、硬いリードと相性が良く、少ない息でも硬いリードを振動させることができ、かつ音程のコントロールが容易です。硬いリードを使ったサウンドを好むプレーヤー、また音程の正確さを求めるプレーヤーに好まれます。ティップの広いマウスピースはいっぺんに沢山の息を入れる事が出来、サウンドをパワフルにする事が容易です。
しかし硬いリードを使うとまったく音がしない場合が多いので、いきおい薄めのリードとなります。またティップが広いと、音程のコントロールがし辛くなります。しかしこれを逆に、「ニュアンスの幅が広がる」と好むプレーヤーも居ます。ということで、マウスピースのティップオープニングは広くても狭くても、どちらもコントロールは難しいです。しかし、その難しさを克服するのが別に上級者の条件ではありません。そしてティップが広いマウスピースは表現の幅が広がるという意味では、自分の探す「良い音」に巡り合う可能性は高いでしょう。しかし、「広ければ良い音」という理屈には結びつきません。
サウンドはマウスピース、リード、アンブシャ、そして奏者の息のバランスで決まります。そして何よりも、奏者がどんなサウンドを求めているかが重要です。
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