コルクグリスはお持ちですか?ま、サックス吹きでコルクグリスを持っていない方はいないでしょう。ただし、そのコルクグリスを正しく使っているか、については疑問です。もし、「コルクグリスの使い方って、これでいいのかなあ?」、と疑問をお持ちの方がいらっしゃったら、今日の話は多少役に立つかもしれません。
最近はリップスティックタイプのコルクグリスが多いので、筒状の入れ物から、直接グリスを、ネックコルク全体にたっぷりと塗りつける方が多いかもしれません。これは「×」です。グリスを無駄にし、かつグリスによる「マウスピースとネックコルクの間の滑りを良くする」という目的を余り満たしません。グリス自身が柔らかいので、筒状のケースから直接塗っただけでは、口紅を唇につけるように、しっかりとは塗り込まれません。ネックコルクの表面に「置かれた」だけで、グリスはマウスピースの底の「円」の部分の滑りを良くしているだけとなってしまっています。
では、基本的なグリスコルクの塗り方をご教授しましょう!まずネックコルクが乾いている事を確認しましょう。濡れているとコルクの内部にまでグリスが浸み込みません。乾いたコルクグリスにはそんなに沢山グリスを塗りつける必要はありません。何箇所かにちょんちょんと塗った後、指で全体に馴染むように擦り付けます。コルクに浸み込ませるくらい、結構念入りに擦ってください。その後、ドライヤーで少しコルク部分を熱してあげると、グリスが溶けてコルク内部に浸み込んでいきます。これを2、3回繰り返せば、コルクにグリスが浸み込んで、かなりの期間はネックに滑らかにマウスピースを差し込めるはずです。あ、この作業は新品のサックスのとき、またネックコルクを付けなおしたときにやっておくとかなり有効です。こんな作業はライブの前やスタジオの練習では無理ですが、そんなとき、「ちょいと滑りが悪いなぁ」、と感じたら、ネックコルクの数箇所にグリスをちょい着けし、指で全体に広げてください。このような使い方をすれば、リップスティックタイプのコルクグリスは一本で数年使えます。コルクグリスの代わりにパラフィン(ロウソクのロウ)を使う方もいらっしゃいます。このほうが手が汚れずに済みますが、マウスピースの滑りはグリスには劣ります。
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